北大定期戦観戦記

男子89回/女子51回(令和1年度)対北海道大学定期戦観戦記
       男子観戦記:赤羽、女子観戦記:滝口

今年の北大定期戦の一日目は、好天に恵まれ、男子3コート、女子1コートで開始した。萩庭会からは石川会長以下の役員、旧役員、蓜島さん、50-52の同期も集まり、関西からも、S50の湯本、S52の岡野も参加、多くの先輩が川内に集まった。
2日目は、雨模様の予報であったが、試合はできそうな空模様。予報から午後が雨ということで、9:45の開始時間の繰り上げの連絡があり、9時から試合開始となったが、9:30には雨が強く降り、中断。12時に再開の判断としたが、雨が上がらず、2日目は中止となり、3日目の残りを実施することとなった。

■■男子の部■■
昨年の3連覇阻止から、戦力がほとんど変わらない東北大であり、今年は期待をしていたが、直前の七大戦決勝で、北大と東北大で決勝を戦い、何とD0-3、S2-2で敗れ、北大の七大戦初優勝という波乱があり、どうなることかと思われた。
Dは、3試合とも1セット目は、接戦から抜け出しとるも、スコアほどの差はない。2セット目になって双方慣れてきて、接戦となる。まず、D1が2セット目を9-7で取ると、3セットで勝利。D3は2セット目を落とすが、4セットで勝利。D2はどちらに転んでもおかしくない試合であったが、最終セット、北大にプレッシャーがかかり、7-5で接戦を制した。
シングルスは、S5、S4、S6が入った。S6は、試合慣れか0-3で敗れるも、S4,S5のSにしか出ていない選手同士の試合であった。S4をフルセットで制し、S5は1セット目を落とすも、2セット目を取り、3セット目を10-8で制し、4セットで取り切った。1日目で男子は勝利(D3-0, S2-1)が決定した。2日目は雨模様。

【D3:峰(4)/三輪(4)(東北)6-2、6-8、6-3、6-2 池内(4)/野沢(4)(北)】
第1セットはリードをキープし、6-2押し切る。2セット目も3-2とリードも追いつかれ接戦。2ゲーム連取し、4-3リード。4-4と追い付かれも、サービスキープし5-4も。5-6とリードされ、6-8と第2セットを落とし、セット1-1となる。。第3セットは、最初のゲームはキープするもブレークチャンスを逃し1-1から、簡単にブレークされ1-2も、ブレークし2-2-に追いつき、ブレークし4-2から5-2リード。落ち着きを取り戻し、2回目のセットポイントを取り、6-3。第4セット、なかなか波に乗れない、サービスキープで2-2から、ブレーク 3-2とリードから、キープで4-2、そのままブレークし5-2とリード。サービスキープ、最後は相手のフォアがアウトし、6-2で勝利。

【D2:小西(3)/藤島(2)(東北)6-3、5-7、8-6、4-6、7-5大西(4)/今田(4)(北)】
1セット目。3-3まで接戦も、6-3で押し切る。2セット目はおたがいサービスキープで3-3 接戦となるも、ブレークし4-3,5-3とリードも5-4と追い付かれる。藤島のサービスをブレークされ5-5から5-6と3ゲーム連取され、そのまま小西のサービスをブレークされ5-7で押し切られ、セット1-1となる。第3セット、サービスキープで2-2と接戦。ブレークチャンスを逃し2-3から、ブレークされ2-4も、ブレークし3-4となり、キープで4-5、5-5,ブレークチャンスを逃し5-6も頑張ってキープし、ブレーにつなげし7-6。40-0セットポイントから2本ミスるも1stサーブフリーポイントで第3セットを7-5で取る。
第4セット、なかなか押し切れず、サービスキープされ、2-3から、3-3,34とサービスキープが続き、4-5となる。ここで第3Dの勝利も、最後小西のサービスをブレークされ4-6で落とし、セット2-2-となる。最終セット。1-4となるもブレークし、3-4と追い付く。4-5でサーブ、40-0から追いつかれるが、1stサーブでポイント。5-5に追いつき、ブレークし6-5リード。サービングフォーマッチ。相手にプレッシャーがかかってミスが続き、30-15としたが、最後は大西が続けて2本ミスし7-5で最終セットを取り、D3勝とした。偉い。

【D1:寺嶋(3)/小橋(3)(東北)6-1,9-7,6-2 西島(3)/北井(2)(北)】
寺島のサービスキープで入り、好調さをキープし、6-1で1セット目を簡単に取るも、2セット目の最初のゲームを落とし、2-1と挽回もミスが続き2-3リードを許す。接戦が続きサービスキープで、4-4から4-5.5-5に追いつくも、5-6とリードされる。6-6に追いつき、ブレークし9-7で第2セットもとり、セット2-2とする。サービスの強さが目立つ。第3セットは、落ち着いて入り、2ブレークし4-1リードし、順調にキープし6-2の勝ち。7大戦のリベンジをした。

【S6:馬場(東北2)2-6、1-6、2-6 野澤(北4)】
野沢がDに出ていたため、Sの3試合目に入った。粘りの馬場ではあるが、1-2とリードされる。馬場にミスが出て2-5とリードされ、そのまま2-6で落とす。粘りきれず、先にミスが出てしまう。同じようなタイプで厳しいか? 第2セットも0-4とリードされるが、1ゲーム返し、1-4とするも、そのまま押し切られ1-6で落とす。3rdセットも1-2とリードされ、そのまま2-6で押し切られる。来年に期待したい。

【S5:坪和(東北4)5-7、6-2、10-8、6-4 坂野(北3)】
第一セット、相手のサービスをブレークし、2-0と幸先の良いスタートも、相手も慣れてきて2-2.バックのクロスが良い。3-2とリード。ドロップショットも交え、5-4でリードするも、ミスが続き5-5-とされ、5-7で1stセットを落とす。流れ悪し。セコンドセットは4-2リードし、そのまま我慢し、6-2で取る。3rdは、相手の粘りにミスが出て1-4とリードされる。ここで、坪和も粘って3-4まで追い上げ、4-4-に追いつくも、4-5とリードされ、相手のサービスゲーム。これをブレークし、5-5に追いつくサービスをブレークされ、5-6から、6-6となる。一ポイントの長いしっかりしたストロークを打ち合う良い試合であるが、相手のエースを決められ6-7となる。ここで、相手に2本のダブルフォールトが出て、7-7に追いつく。サービスがお互いにきつそうだが、ここで坪和がサービスをキープ。8-7と始めてリードするが、相手もサーブをキープ、8-8から坪和が再度集中し、サーブを取り、9-8リード。最後は、15-40から相手のサーブをドロップショットにしてポイントを取った10-8。第4セット、2-1とリードする。どちらもかなり疲れている、もう、4時間ぐらいやっている。相手のミス、エース級のボールもあり4-1リード。4-2になるも、踏ん張り5-2リード。マッゲームとなるもこれは相手にキープされ、5-3 サーブでマッチポイントを2回つかむも取り切れず、5-4となる。40-0でマッチポイントをつかみ、40-30から、バックのエースで試合を決めた。

【S4:木立(東北2)6-3、3-6、6-2、3-6、6-1前田(北1)】
木立の堅実なプレーで5-2リード。ブレークされ1ゲーム取られるが、6-3で1stセットを取る。一転して2ndは、相手のサービスが入りだし1-4リードを許し、そのまま3-6で落とす。前田は1年生ながら、上背もあり、高校時代の実績は、Dの方に多いとのことであるが、上背があり、サーブが入るときつい。第3セットは、2-1から3-1,4-1とリードを広げる。前田が何とか流れを変えようと、ペースを変え、中ロブを交えつなぎ始めると木立にミスが出て4-2とされるが、集中し、パッシングもはいり5-2とする。そのまま、6-3で3rdセットは取る。第4セット、このまま行きたいところだが、相手にキープされ、0-1となり、ゲームポイントをつかみながらも相手に取られ、0-3となる。その後、1-4。相手がペースをつかむ。2-4とサービスゲームで一つ戻すが、2-5とリードされ、6-2で落とす。
ファイナルセット、立ち上がりから一進一退。リードもミスで決められず。ようやく1-0アップ。これが大きかったか、積極的になり、ボールに伸びが出て、いいロブが決まり、相手も押されてミスも出て、3-0リード。相手のサービスをブレークし4-0リード。ドロップショットの返しのドロップショットを相手がミスり、サービスフリーポイントで5-0とする。1ゲーム取られるが、最後ストレートの強打が決まり、6-1でファイナルを取り、セット3-2で勝った。両者とも今後の成長が楽しみである。
                                    (赤羽記)

2日目に行なわれたS3~S1の試合は開始早々から雨が降り始め、30分間のプレーで3日目に順延となった。このため以下S3~S1の観戦記は西谷が書いています。

【S3:寺嶋(東北3)2-6、6-4、2-6、2-6 今田(北4)】
シングルスNo3は、北大4年の今田と東北大3年の寺嶋の対戦となり、今田のパワーに寺嶋が切れのあるショットで応酬するという展開となった。
第1セットは、4年生の意地を見せてパワーで押してくる今田に2-5とリードを許したところで、雨天のため翌日へ延期となった。
翌日、再開された最初のゲームを落とし、第1セットは2-6で北大に渡すことになった。
第2セットの序盤は、ポイントは競るもののここぞというところで寺嶋が決め切れず1-4とリードを許す展開となった。ここからサーブとショットの切れを取り戻した寺嶋が一気に逆転し、第2セットを6-4で取り返しセットオールに持ち込んだ。
第3セットは鋭いラリーの応酬となったが、パワーで勝る今田がじわじわとリードを広げ、寺嶋はここぞというポイントが取り切れず2-6で落としてしまった。
第4セットに入ると伸び伸びと打つ今田のショットが冴え、打開しようと前に出る寺嶋を鋭いパッシングで抜き去る場面が目立つようになった。寺嶋は時折華麗なショットを見せたものの最後までパワーで押す今田にカウント1-3で押し切られてしまった。
寺嶋はラリーの中で再三良い形を作れていただけにポイントを決めきれなかったのが悔やまれる試合であった。来年に期待したい。

【S2:小西(東北3)6-2、6-4、6-2 西島(北3)】
シングルスNo2は3年生同士の対戦となった。西島のビッグサーブと強力なフォアハンドに、小西が軽快なフットワークでボールを繋ぎチャンスをみてフォアを打ち込むという展開の試合となった。
第1セット、雨の中要所で深くラインいっぱいのフォアハンドを決めた小西が6―2で取ったところで翌日に延期となった。
第2セットは、互いに強烈なフォアハンドストロークを打ち合う展開で接戦となったが、小西が回り込んで放つ逆クロスがよく決り、6―4で2セットアップとした。
第3セットに入ると西島に疲労の色が見え始め、小西が落ち着いて左右に打ち分け危なげなく6―2で勝利をあげた。
小西のフォアハンドの安定感とフットワークの良さが光る試合であった。

【S1:小橋(東北3)6-1、6-3、6-0 大西(北4)】
シングルスNo1は北大主将大西と東北大3年小橋の対戦となった。ゲームは、小橋が鋭いサーブと強烈なフォアハンドで攻め、大西がこれをしのぎながら切り返すという展開で進んだ。すでにチームの勝敗が決まっているせいか、この日の大西はいつもの安定感がなく早目のミスが目立った。
第1セットは強烈なストロークの応酬が続いたが大西に早めのミスが出て6―1で小橋が取った。ここで降雨中断となって第2セット以降は3日目に持ち越された。
第2セットも鋭いショットの応酬となったが、小橋の強烈なフォアハンドが決り4―1とリードを広げた。ここから大西も意地を見せ追い上げたが、伸びのあるバックハンドスライスでしのぎながら甘いボールをフォアを決めるという小橋のペースに終始し第2セットも小橋が押し切った。
第3セットに入るとポイントは競るものの、要所で小橋のサーブとフォアハンドが決まり一気に5―0となった。ここで大西も意地を見せ再三強烈なショットを放ったが、小橋の勢いを抑えることはできず6-0という思わぬスコアでNo1対決を東北大が制した。
1年からレギュラーで今年の七大学戦では北大初優勝の立役者となった大西を相手に打ち勝った小橋のプレーは見事であった。インカレでの活躍を期待したい。
                                    (西谷記)

■■女子の部■■
昨年、北大側に風雲児のごとく現れた畠山選手を中心に今年の北大メンバー全体のレベルは上がっていました。パワーアップだけでなくコース配分やボールに対する執着心も向上していました。それにつられて応援のパワーも東北大を上回っていたようです。東北大も清水主将を中心にまとまりはよかったと思いますが、全体的におとなしい雰囲気でした。しかし、その中に応援で一人気を吐いていた新人(?)の存在を見て嬉しくなりました。北大は畠山選手のようなスーパースターが加わったこともありますが、監督やコーチが付いて適切な指導が行われていたように思われます。東北大女子にも忙しいとは思いますが適切なアドバイスをしてくれる先輩がいてくれたらなと思いました。来年は尾崎さんを中心に試合前の心がけを始め技術面、メンタル面での向上を図ってくれることと期待しています。特にダブルフォルトだけはなくしてほしいです。

【D2:木村(2)/清水(4)(東北)0-6、3-6 土洞(3)/伊藤(3)(北)】
第一セット、第2ゲームは木村のサービスゲームはリードするもダブルフォルトを3度犯し落しブレークされた。次のゲームは伊藤のサービスでこちらも2度のダブルフォルトを犯したがキープされ0-3とリードされた。この後はパワーに押され0-6で第一セットを落とした。第二セットは第2ゲームで清水が、第4ゲームで木村がサービスゲームをキープし互角の展開になった。3-4とリードされた次のゲームは木村のサービスだった。40-15とリードし4-4に追いつくチャンスだったがダブルフォルトを3度犯しブレークされた。結局第二セットも3-6で落した。兎に角、ダブルフォルトは一番犯してはいけないプレーである。木村には安定したサービスを練習して次戦に臨んで頂きたい。清水は主将の重責がプレッシャ-になっているように見えた。

【D1:尾崎(3)/布留川(2)(東北)2-6、0-6 岡崎(2/畠山(2)(北)】
第一セットの第1ゲームで尾崎がサービスゲームをキープし幸先良いスタートを切った。続くゲーム、北大のエース畠山のサービスは男性並みのスピードがあり簡単にキープされた。続く布留川のサービスゲームが残念だった。サウスポーのサービスは効果的で第1サーブが入ると優位に立てたが、やはりダブルフォルトが2度ありゲームをキープできなかった。第4ゲームで岡崎のサービスを破り2-2としたがその後は畠山の強打と素早い動きに圧倒され2-6で第一セットを落とした。第二セットに入り尾崎の安定したプレーで対抗したが、畠山を意識してどうしてもミスが先に出てしまう。畠山の牙城を崩せず第二セットは0-6で落してしまう。

【S3:清水(東北4) 0-6、0-6 森(北2)】
同じ小松高校出身で相手の森は2年下である。「後輩には負けたくない」と試合前には緊張していたが、試合が始まると北大の高いレベルで成長した森のストロークに伸びがあり、清水は押され気味のスタートになる。我慢のプレーでチャンスを待ったが、そのチャンスが来ると力みが出てボールをネットにかけてしまう。このようなシーンが多かった。結局第一セットを0-6で落した。第二セットに入り自信をなくしたか主将としての責任を感じ過ぎたのかすっかり精彩をなくし0-6で敗れてしまった。清水の責任感の強さが逆にプレーを委縮させてしまったように感じられた。

【S2:布留川(東北2) 3-6、0-6 伊藤(北3)】
初出場の布留川に対し伊藤は3年連続の出場で雰囲気に慣れるまでは伊藤に圧倒され、たちまち0-4とされた。続く第5ゲームは布留川のサービスゲームだった。サウスポーから繰り出されるサービスは効果的でゲームをキープし1-4とする。続くゲームは伊藤がキープし1-5となった。次は布留川がサービスゲームをキープし続いて伊藤のサービスゲームもブレークし3-5とし追い上げムードになった。しかし追い上げもここまでで伊藤のパワフルなプレーが復活し3-6で第一セットを落とした。第二セットになると伊藤のストロークの威力が増すと同時に動きもよくなる。布留川は受け身になってしまいミスが先行し0-6で第二セットも落した。

【S1:;尾崎(東北3) 0-6、1-6 畠山(北2)】
尾崎が立派なのは試合前の入念な準備運動である。ダブルスの時もしっかり身体を作っていた。相手が畠山でなければ大熱戦を行ったか勝利を手にしたことであろう。第一セットは尾崎が果敢に畠山と渡り合う。安定感では遜色ないが、パワーでは畠山が上だった。結局ゲームを奪うところまでは対抗できなかった。第二セットの第1ゲームで待望の1ゲームを奪った。結果は0-6、1-6で完敗であるが内容は尾崎の善戦だった。この試合を見ていた北大のOBも「尾崎さんのプレーはよかったですね。」と言ってくれた。尾崎にとっても畠山のような素晴らしいプレーヤーと試合ができたことは貴重な経験になったことと思われる。
                                    (滝口記)

===== 北大戦対戦結果 =====
-男子-
   <東北大>                  <北大>
D1 小橋/寺嶋 ○ 6-1、9-7、6-2        西島/北井
D2 小西/藤島 〇 6-3、5-7、8-6、4-6、7-5 大西/今田
D3 峰/三輪  〇 6-2、6-8、6-3、6-2     池内/野澤
S1 小橋     〇 6-1、6-3、6-0         大西
S2 小西     〇 6-2、6-4、6-2         西島
S3 寺嶋     × 2-6、6-4、2-6、2-6     今田
S4 木立     〇 6-3、3-6、6-2、3-6、6-1  前田
S5 坪和     〇 5-7、6-2、10-8、6-4     坂野
S6 馬場     × 2-6、1-6、2-6         野澤

-女子-
  <東北大>               <北大>
D1 尾崎/布留川 ×  2-6、0-6    岡崎/畠山
D2 木村/清水  ×  0-6、3-6    土洞/伊藤
S1 尾崎      ×  0-6、1-6    畠山
S2 布留川     ×  3-6、0-6    伊藤
S3 清水      ×  0-6、0-6     森


2019年07月17日