7月19日(土)まだ梅雨明け宣言のない仙台の川内、朝9時より、男子第95回、女子第57回北海道大学定期戦の開会式が始まりました。
天候は薄雲りでこの時期としてはテニス日和です。
まず昨年優勝の男子北大、女子東北大より優勝カップの返還が…ここでハプニングがありました。
宅配で送られてきたダンボールを開けたら男子の優勝カップが壊れていました。
次いで主将の菅、内田が力強く選手宣誓。
東北大学庭球部長の小川先生のご挨拶で開会式を終了しまた。
引き続き、オーダー交換を行ない、対戦相手が確定しました。
(苗字の後ろの数字は学年を表す)
■男子ダブルス 東北大学 vs 北海道大学
No.1 菅4・服部4 種子田3・江面3
No.2 守屋3・中村2 江藤2・管2
No.3 内山4・外山2 大石橋2・杉田1
■男子シングルス
No.1 菅4 種子田3
No.2 外山2 江藤2
No.3 内山4 横山3
No.4 中村2 管2
No.5 守屋3 海谷2
No.6 服部4 大石橋2
■女子ダブルス 東北大学 vs 北海道大学
No.1 内田3・前原3 松本3・小野寺1
No.2 五十嵐2・小田桐3 植野3・小嶋2
■女子シングルス
No.1 内田3 松本3
No.2 前原3 植野3
No.3 五十嵐2 小野寺1
写真にはピンクのTシャツが目立つと思います。
これは先月の七大戦(札幌)の後、両校で相談してこの定期戦に向けて記念に作ったTシャツだそうで、どっちがどっちか分かりません。
仲が良いので、その雰囲気を汲み取ってください。
開会式の後、男子ダブルスNo.1、No.2、No.3が3面同時に試合に入りました。
いよいよ5セットマッチ(長丁場)の始まりです。
女子は部員数が少ないため、審判、ボール拾い、応援、コーチに人数が割けないため(東北大だけですが)、1面展開で、ダブルスNo.2から試合に入りました。
□ 男子 □
まずNo.3 内山・外山(ウチソトコンビ)が6-2、6-4、9-7で大石橋・杉田にストレート勝ち。
この試合では4年の内山暁士(アガシと読みます)が4年の落ち着きで試合をコントロールし、サウスポー2年の外山のスライスサーブを活かして勝ち切りました。
しかし、第3セットは粘りにあい、5セットマッチの難しさもうかがえました。
また、観戦記として選手の特徴や攻め方、守り方などを書こうかと思いましたが、試合の進め方は共通していて、どの選手も強力なサーブ、高速ラリーの応酬で、少々のナイスショットは素早く動いて追いつき、場合によってはカウンターのクロスやダウンザラインを打ち込みます。
TV中継でプロの試合を見ている様な試合です。
この様なイメージで、以下の報告にお目通し頂ければよいかとおもいます。
No.2 守屋・中村は第一セット6-0でアップし、隣でNo.1菅・服部も6-4、6-2とリードを広げ、東北大順調な立ち上がりをみせました。
しかしながら、うまい話はここまでで、No.2 守屋・中村は第二セットを1-6、第三セット5-7で競り負けると、休憩をはさんで第四セットも一進一退ながら6-8で落としました。
6-0、1-6、5-7、6-8。No.1菅・服部は2セットアップ、2セットダウンのあと相手にリードを許しますが、何とかくらいつき、6-6に追いついたあと相手の疲れと凡ミスを逃さず8-6でゲームセット。
ダブルスを2-1でリードしました。
この時点で13時を回っていて、休憩をいれて、14時20分からシングルスNo.6、5、4が入ることになりました。
初日ダブルスの後にシングルを入れるとなると、単複出る人は1日に5セットを2試合行うことになります。
しかも、この暑さの中です。
川内も昼頃から雲が消え、太陽の陽射しが容赦なく、コートは35℃以上、下手をすると40℃近くある様にも思えます。
いくら若いからといっても選手は可哀想です。
今後の課題として現役と相談したいと思いました。
さて、ここからはシングルです。
No.6服部は6-4、6-1と相手のミスを誘いながら飄々と2セットアップしました。
しかし第3セットに入ると急に脚が出なくなりました。
そして両脚太もも内側が痙攣を起こしました。
それでも足を引きづりながら必死でボールを追いましたが、3-6で落としました。
第4セット1ゲーム目を落としたところで5時を回り、審判がサスペンデッドをコールしました。
昼の休憩を挟んでいるといっても朝から5時までコートを駆け回ったことになります。
明日までに少しでも回復してほしいと願うばかりの初日でした。
翌日、痙攣は一応おさまってましたが、ゲームカウント0-1からのスタートです。
このセットでなんとかケリをつけたいという本人(談)、応援の気持ちに応え、6-4で東北大3勝目の勝ちを引き寄せました。
なお、2日目は東北地方も梅雨が明けたようです。
朝から夏の太陽が照りつけています。
No.5守屋は、帽子の下にハチマキを巻いて気合いを示して臨んでいますが、やはり脚に負担がかかっている様子が見て取れます。
気力をふりしぼり、引き離されないよう走り続けました。
途中でサスペンデッドになり、ここまでは4-6、7-5、(サス)、翌日になって前日よりも朝から暑い中、ゲームを取っては取られの一進一退が続きましたが、3-6、6-2で2-2となりましたが、ファイナルは0-6で涙を呑みました。
ただ、この試合でファイナルセットまで持ち込んだことは、これからの東北大を牽引する経験に繋がったのではないかと期待します。
No.4中村は、ノビ盛りの2年で、先月の七大戦でフォアストロークのスピードに磨きがかかったように思えました。
1stセット2-5の劣勢からスイッチが入り、7-5で奪取すると、勢いに乗って2ndセット6-2、3rdセット6-4のストレートで勝ちきり、この時点で東北大4-2と、勝利まであと1勝としました。
No.3内山は、北大のシングル実力者横山とあたりました。
1stこそ一進一退の打ち合いでしたが、前日のダブルスと暑さに予想以上の体力が失われている様で、途中から顔を真っ赤にし、意識朦朧とする中、5-7で落としました。
相手はシングルが得意で、ダブルスは応援に回っていたこともあり、その後1ー6、1ー6で力つきました。
できることならもう少し良い条件で試合をさせてあげたかったと思いますが、これが北大定期戦なのかもしれません。
4年の内山君には感謝の言葉しかありません。
No.2外山は、フットワークも軽く6-2、6-2で2セットアップしました。
このまま東北大勝利かと、応援団は皆そう思いました。
でも選手にとっては想像以上の疲労が蓄積していたようです。
お互い脚、腕が痙攣を起こし、これまでとは違った試合展開になりました。
3rdセットから2-6、4-6とタイに追いつかれ、酷暑の中の消耗戦です。
「気合いで走れ!」との仲間からの声援に応えて、ほとんど動かない脚と手を必死に振り続け、カウンターエースを何本か取りましたが、最後は4-6で力つきました。
この試合が全体の最後の試合でした。
すなわち、団体戦としては4-4になり、この試合結果に委ねられたわけです。
外山は2年ですが、これからの部の勝敗を左右する運命を背負っているのかもしれません。
大いに期待したいと思います。
このあと、腹筋、手に痙攣をきたしましたが、数時間後の懇親会には復活してくれました。
No.1菅は名実ともに東北大のエース。
相手の種子田も北大のエース。
菅はフォアのスライスとバックハンドのフラット強打を主体としたオールラウンドプレイヤー。
種子田はフォア、バック共に両手打ちのオールラウンドプレイヤー。
お互い一進一退の展開で、絶対勝つという気迫を前面に出しながら、プレーには冷静さもあり、これぞNo.1同士の試合を繰り広げました
スコアは5ー7、7ー9、4ー6のストレートでしたが、形勢はどちらに傾いてもおかしくなく、見応えのある試合でした。
途中、菅は腕が痙攣を起こしていました。
□ 女子 □
北大は七大戦3連覇をしている強敵です。
しかし、昨年の北大定期戦は、東北大が勝利していて、今の七大学の中では2強の大学です。
試合前から、その接戦、熱戦に期待して止みません。
ダブルスNo.2五十嵐、小田桐は、順調な滑り出しをみせ、1stセット4-1リードを奪いました。
そこから北大も自分たちのスタイルを貫き、東北大からみて4-2、5-2、5-3、5-4、5-5、5-6、5-7で落としました。
この間、ポイントは行ったり来たりで、相手の強打を小田桐がつなぎ、五十嵐がボレーでポイントを取るなど、もう少しのところまで競りました。
2ndは流れを掴んだ北大が1ー6で押し切り、惜しい試合を落としました。
ダブルスNo.1は内田、前原ペア。
北大も松本、小野寺ペアで、接戦は必至です。
1stは、お互い手の内を探るようなジャブの応酬でしたが、1-6ダウン。2ndは、内田vs松本の強打の応酬に、前原のサーブとボレーが勝負どころで決まり6-3アップ。ファイナルは4-4、4-5、5-5、6-5のあと7-5で取り切り、この間、相手にマッチポイントを4~5回握られながらも逆転勝利となりました。
シングルNo.3五十嵐が2時20分から入りました。
相手の小野寺は1年のエース(盛一)。
五十嵐もこの1年で伸びたサウスポーで、サーブとフォアハンドの左右への振りをベースに試合を組み立てます。
3-6、2-1となったところでサスペンデッド。
翌日、再開したところ、相手の脚が重く、五十嵐が6-1アップしました。
ここから、相手も動きが回復し、一進一退の展開に。
チャンスはあるものの、なかなか思うようにポイントは取れません。
最後は4-6で押し切られました。
結果は負けましたが、自分のポイントパターンを作りつつある過程にいるので、これからの伸びに期待したいと思います。
No.2前原は、ライバル植野と対戦。
両者同じようなテニススタイルで意地のラリーを続けます。
1stセット6-3アップ、2nd 2-6ダウンとなりタイヘ。
太陽の陽射しが容赦なく照りつける中、ファイナルはリードを活かし、6-3で取り切りました。
この時点で2-2となり、勝敗はNo.1の試合にかかりました。
No.1内田 vs 松本
大学入学前から熾烈な戦いを繰り広げてきた二人の対戦。
大学に入って、今回が5度目の対戦で、内田は4勝0敗です。
1stセットは今日の調子を探るべく、内田はドライブ気味の強打、松本は内田よりフラット系の強打で、いつもの二人の対戦が始まりました。
この二人は打てる時は打つという姿勢を貫くため、強打に強打の応酬になります。
ボールを潰しながら打つので、打音が他の人たちとは違います。
その中でも内田は着実にポイントを重ね、6-1で取りました。
ここで、松本がコスチュームをチェンジし、何かのスイッチが入ったテニスになりました。
内田の球がやや短めになったと見るやライジング・フラットで強打し始めました。
これがコート深くに入り、ポイントを重ねました。
このペースが長くは続かないとは思ったのですが、今日の松本は違いました。
サーブも良くなり、内田を圧倒し始めました。
2nd 2-6、ファイナル0-6で、内田の不敗神話が初めて破られました。
そして、北大の勝利が決まりました。
しかし内田の懇親会でのコメントを紹介しますと、「負けたということは、もっと強くなる伸び代がある」と次を見ています。
このあたりが頼もしいキャプテンです。
私たちOB・OGも応援し甲斐のある後輩たちに感謝したいと思います。
それと、この二人の対戦を見るたびに感じることがあります。
それはウォームアップの仕方と量です。
念入りに関節のストレッチを黙々と行います。
ルーティンだとは思いますが、他の選手も、勿論、自分も見習うべき点だと感じました。
□ 総括 □
男子は、シングル3試合を残して4ー2とリードし、あと一歩でしたが、これが北大戦。
5セットマッチの怖さを45年ぶりに実感しました。
そして応援している自分の歳は、いつの間にかタイムトラベルして、あの頃に帰っていました。
2日間を振り返ると『男子9戦中3試合、女子5戦中4試合がフルセットにもつれるほどの大接戦でした。』 こんなテニスが出来る、素晴らしい後輩たちにあらためて感謝をしたいと思います。
ただ、この猛暑のなか、単複5セットでの2試合は過酷で、ここ数年の定期戦では多くの選手が腕や脚に痙攣を起こし、救急車を呼ぶ事態まで起きています。
痙攣は今に始まった事ではないですが、異常気象の昨今です。
両校で対策を検討してみてはどうでしょうか。
女子の課題は、まず部員数を増やすことです。
最後に、今年の定期戦には多くのご父兄、萩庭会、楡庭会のOBOGが応援に来て下さいました。
この場をお借りして御礼を申し上げます。
文責 萩庭会長 小田伸一
東北支部幹事長 忍 一幸
□試合結果は以下のとおりです
【 男子 】
‐ダブルス‐ 2-1
No.1 菅、服部 ◯6-4、6-2、3-6、4-6、8-6
No.2 守屋、中村 ✕ 6-0、1-6、5-7、6-8
No.3 内山、外山 ◯ 6-2、6-4、9-7
‐シングルス‐ 2-4
No.1 菅 ✕ 5ー7、7-9、4-6 種子田
No.2 外山 ✕ 6-2、6-2、2-6、4-6、4-6 江藤」
No.3 内山 ✕ 5-7、1-6、1-6 横山
No.4 中村 ◯ 7-5、6-2、6-4 菅
No.5 守屋 ✕ 4-6、7-5、3-6、6-2、0-6海谷
No.6 服部 ◯ 6-4、6-1、3-6、6-4 大石橋
【 女子 】
‐ダブルス‐ 1-1
No.1 内田、前原 ◯1-6、6-3、7-5
No.2 五十嵐、小田切 ✕ 5-7、1-6
‐シングルス‐ 1-2
No.1 内田 ✕ 6-1、2-6、0-6 松本
No.2 前原 ◯ 6-3、2-6、6-3 植野
No.3 五十嵐 ✕ 3-6、6-1、4-6 小野寺
□写真集
□アルバム


アルバム提供:滝口隆会員