現役七大戦の応援に行ってきました(2024年7月8-10日)

2024年の七大戦は、名古屋大学が主管校となり、7月8日から10日の日程で岐阜メモリアルセンターにおいて開催されました。
岐阜メモリアルセンターのテニスコートは、インカレやプロの試合も行われる立派なコートで、屋内4面、屋外12面にスタンド付きメインコートもある素晴らしい施設でした。

東北大庭球部は、昨年の男女準優勝から今年は男女同時優勝を目ざしており、6月末の壮行会でも優勝への自信を漲らせていました。
男子は昨年のレギュラーから主将飯田(4年)、松藤(4年)、菅(3年)、服部(3年)が残り、そこに主務の近藤(4年)、内山(3年)、守屋(2年)がレギュラーに加わり、真に優勝を狙える布陣です。
女子も3年連続出場となる主将山口(3年)を中心に、絶対的エース内田(2年)、新たに土山(3年)、小田桐(2年)、五十嵐(1年)がレギュラーとなり、十分優勝が狙える戦力となりました。

組み合せは抽選の結果、男子は昨年優勝の京都大、一昨年優勝の名古屋大が反対ブロックとなり、女子も昨年決勝で敗れた北海道大と実力のある九州大が反対ブロックになるという恵まれたドローとなりました。
不安は、慣れないハードコートへの対応と猛暑による体力消耗、体調管理にありました。


◇◇1日目◇◇
【女子1回戦】 ○東北大3-2京都大
D2○山口・内田6-0、6-0:圧倒的な力の差を見せ文句なしの完勝。

D1●土山・小田桐0-6、0-6:開始直後の第1ゲームをよく粘ったが惜しくも取れず流れを戻せなかった。二人で相談しながらロブを上げたりペースを変えたりしてよく頑張ったが、相手がミスをせずゲームを取ることができなかった。

S3●五十嵐2-6、3-6:高い打点で強打する相手にロブでよく粘ってラリーを続けたが、あと一歩というところで押し切られてしまった。

S2○内田6-1、6-0:粘る相手に、力強いストロークで最後まで攻め抜き自分のテニスをした内田が快勝した。

S1○山口6-2、6-1:勝敗を決める試合となったNo.1シングルスは酷暑の午後2時に開始された。炎天下、主将の山口が見事な集中力を見せ、競り合いとなったゲームを悉くものにして圧勝した。経験と主将としての意地を見せた素晴らしいゲームであった。

【男子1回戦】 ○東北大5-4東京大
D3○飯田・松藤6-4、6-4:1stセット3-4で飯田が苦しみながらもサービスをキープして4-4にすると、あとは一気に突き放し6-4でアップ。2ndセットはキープが続いた3-3でブレークに成功するとそのあとは着実にサービスキープし6-4でストレート勝ちをおさめた。

D2○菅・服部6-2、7-5:1stセット立ち上がりから菅、服部とも動きが良く5-1と一気にリード。相手に1ゲームキープされるが、すぐ服部の高い打点からのサーブと菅のボレーで6-2アップ。2ndセットはお互いにサービスキープが続いたが、5-5からブレークして6-5とし7-5でストレート勝利を決めた。

D1○近藤・守屋6-2、2-6、6-3:1stセット第1ゲームから近藤の良いサーブが次々と入り、ポイントが決まると拳を振り上げてのパフォーマンスも出て、応援も含めチームを勢いづかせてくれた。守屋のボレーも良く決まり6-2でこのセットをアップした。この調子で2ndセットもいくかと思われたが、2ndセットに入ると東北大ペアのサーブの勢いが落ちてブレークを許してしまい、そのままずるずるとリードされ2-6でダウンとなった。ファイナルセットは東北大ペアが元気を取り戻し、素晴らしいネットプレーや再び近藤の盛り上げパフォーマンスも出て6-3で勝利した。主務近藤は初出場の七大戦で、ファイト溢れる素晴らしいプレーとパフォーマンスでチーム全体を盛り上げた。

S6○菅6-2、6-4:猛烈な暑さの中、菅は落ち着いた試合運びで着実にリードして1stアップ。2ndに入っても自分のペースでゲームを運び6-2、6-4のストレート勝利を決めた。

S5●内山3-4(RET):互角の打ち合いであったが、暑さもありチームの勝敗も決したところでリタイアとし試合を打ち切った。

S4○松藤6-2、7-6(1):ストローク力で上まわる松藤が着実にポイントを重ね1stセット6-2でアップ。2ndセットに入ると暑さのせいかややミスが出始めなかなかリードが奪えない。しかし6-6のタイブレークに入ってからは締まったゲーム運びを見せ一気に7-1で勝利を決めた。
S3●飯田3-2(RET):酷暑の中、激しいラリーを展開していたが、チーム勝利でリタイア打ち切りとした。

S2●服部6-2、4-6(RET):1stセットは服部がダブルスでの好調さを維持し6-2でアップ。2ndセットは中盤まで競り合いだったが後半になって暑さのせいか服部にミスが目立ち4-6ダウン。セット間の休憩中にチーム勝利が決まりリタイアとした。

S1●守屋6-2(RET):七大戦シングルス初出場の守屋はダブルスの勝利に気を良くしたかフォアハンドのスピンのよくかかったストロークをしっかり打ってボレーも決め1stセット6-2でアップ。ここで翌日に備えリタイアとした。

◇◇2日目◇◇
【女子準決勝】 ○東北大3-1東京大
D2●土山・小田桐3-6、3-6:丁寧なプレーで粘り競り合いに持ち込んだが、相手の実力No.1ペアに1stセット、2ndセットとも押し切られてしまった。

D1○山口・内田6-1、6-0:圧倒的な力の差を見せ、あぶなげなく勝利。

S3○五十嵐6-3、6-2:サウスポーからのサーブ、ストロークで相手を押し込み、1年生の五十嵐が大きな勝利をあげた。

S2○内田6-0、6-1:粘る相手に内田が力強いストロークで最後まで攻め抜いて勝利し、チームの決勝進出を決めた。
S1 山口5-2:暑く湿度も高い厳しい状況でも山口はしっかりしたストロークでリードを奪い、勝利は間違いなかったが、チームの勝利が決まった時点で試合は打ち切りとなった。

【男子準決勝】 ○東北大5-2九州大
D3●近藤・守屋7-6(8)、3-6、4-6:1stセットは互いにブレークを奪い合う展開となり6-6タイブレークになだれ込んだ。タイブレークも一進一退で先にセットポイントを握ったが取り切れず相手にセットポイントがいくというどちらに転ぶかわからない状況から守屋がしっかりサーブを入れて10-8でアップした。2ndセットは先にブレークを奪うが中盤から勢いがなくなり、近藤の昨日のようなパフォーマンスもみられず3-6で落としてしまった。ファイナルセットに入ってもいまひとつ元気がなく2-5とリードされてしまった。ここから反撃し3-5、4-5と追い上げたが、あと一歩届かず4-6の敗戦となった。

D2○飯田・松藤6-0、6-4:1stセット第1ゲームを素晴らしいリターンでブレークし、次の飯田のサービスをキープするとあとは隙を見せず一気に6-0でアップ。2ndセットに入ると開き直った相手のサーブが入り4-4までいったが、ここでブレークすると一気に6-4で勝利を決めた。

D1○菅・服部6-2、7-6(5):1stセット第1ゲームをブレークするとあとは着実にゲームを積み重ね6-2でアップ。2ndセットに入り先にブレークするも中盤でブレークを返され先行を許してしまった。服部が5-6の苦しいサービスゲームを取りタイブレークに持ち込むと、タイブレークも競り合いとなったが7-5で取り切りストレートの勝利となった。

S6○内山4-6、6-0、6-1:1stセット立ち上がりから相手の強打が決まりリードを奪われ、内山は粘りのテニスで対抗するが4-6で押し切られてしまった。2ndセットに入って相手の強打に慣れた内山が繋ぎながら要所で攻め始め、なんと6-0で奪取。内山はファイナルセットもしっかり6-1で取って七大戦での初勝利をあげた。
S5 守屋1-5(打ち切り):チームの勝敗が決った時点で打ち切り。

S4○服部6-0、6-2:1stセットは服部の高い打点からのサービス、強烈なフォアハンドストロークが爆発し6-0でアップ。2ndセットに入っても立ち上がりこそゲームを取られたがすぐに追いつくと、あとは一気に6-2で勝利を決めた。

S3●菅6-3、3-6、5-7:菅はダブルス勝利の好調さを維持し、立ち上がりから4-0とリードを奪った。ここから相手サウスポーの強烈なショットが入り4-3まで追い上げられたが、持ち味のスライスショットによる上手い配給で6-3と1stセットをアップした。2ndセットに入ると開き直った相手の強烈なサービスが次々と入って流れが九大にいってしまい3-6でダウンとなった。ファイナルセットに入ってもこの流れは変わらず1-3とリードを許してしまった。菅はここから緩いペースに変えてミスを誘って挽回し5-5まで持ち込むが、天候の悪化で室内に移動となった。室内に入るとジャッジができないような弾丸サーブ、強烈なフォアハンドショットを次々決められ5-7の悔しい敗戦となってしまった。この時点で服部、内山が勝利をあげチームの勝利に王手をかけていたが、守屋、松藤がリードを奪われ、主将対決となった飯田は大接戦を展開していて、勝敗の行方はわからない状況となっていた。

S2〇飯田7-6(4)、6-4:主将対決となったこの試合は降雨を想定し初めから屋内コートで行われた。1stセットは主将としての意地を見せる九大にリードを奪われ追う展開になったが、タイブレークに持ち込むと飯田が冷静にポイントを重ね7-4で取り切った。2ndセットに入ると外と中の明るさの違いと観客の影でボールが見づらいせいか飯田のミスが重なり1-4とリードを許してしまった。ここで飯田はコート後方のフェンスを閉めるよう要求し、フェンスが閉まると飯田のミスがぐっと減り4-4まで追いついた。ここからはどちらにゲームがいくかわからない激しい競り合いとなったが、飯田が気力を振り絞って連取して6-4と勝利し、チームの勝利も決めた。この時点で隣コートの菅が負けており、守屋、松藤もリードを奪われていて、東北大男子を決勝に導く貴重な勝利となった。

S1 松藤1-3(打ち切り):チームの勝敗が決り打ち切り。

◇◇3日目◇◇
午後から降雨の予報が出て、決勝戦は8ゲームマッチで行なわれることになった。
気温は前日までより若干下がったものの湿度が高く、蒸し暑い厳しい環境での試合となった。
暑さに慣れない東北大には、連戦の疲れもあり体力消耗、体調管理が不安であった。

女子は昨年と同様、北大との対決となった。北大は昨年のレギュラー2人が抜けて戦力が落ちているものの、前日の準決勝では実力のある九大に3-2で勝ち切って、やはり最大の強敵であった。
男子は、昨年優勝の京大に勝って勢いに乗る主管校の名古屋大が対戦相手で、今春の練習試合では勝っているものの相手の地の利もあり、簡単な試合にはならないことが予想された。

【女子決勝】 ●東北大1-3北海道大
D2●山口・内田5-8:D2ではあるが実力No.1同士の対戦となった。ダブルスを1勝すれば優勝が見えてくる負けられない試合であったためか東北大ペアは立ち上がりに硬さが見られ、リードを許す展開になってしまった。個々の力ではむしろ上回っているのだが、ダブルスのコンビネーション、配給、ネットプレーで北大の上手さが光り、追い上げもむなしく5-8の痛い敗戦となった。

D1●土山・小田桐3-8:東北大ペアは丁寧なテニスが信条だが、立ち上がりリードを奪われるとダブルス巧者の北大からなかなかゲームが取れず3-8と押し切られてしまった。

S3 山口1-0(打ち切り):S3であるがS2、S1のあとにコートに入った。試合を継続すれば勝てると思われる対戦だったが、団体戦の勝敗が決し打ち切りとなった。主将の山口としては悔しい試合となった。この経験を糧に、次の北大定期戦でのリベンジを期待したい。

S2●五十嵐6-8:立ち上がりからリードされ追う展開となった。苦しい展開の中、五十嵐はボールをよく繋ぎ引き離されずついていったが、6-7から相手の思い切りの良いショットが入り、勝利にあと一歩届かなかった。負けられないプレッシャーと北大の男子を含めた大応援に取り囲まれる中で良く闘った1年生の五十嵐を褒めてあげたい。

S1〇内田8-6:昨年同様北大No.1松本との対戦となった。過去内田が連勝していることもあるせいか松本は思い切りのよい強烈なショットを打ち込んでくる。内田はやや受け身になりながらも持ち前のフットワークと力強いショットで反撃するレベルの高い好ゲームとなった。5-6までは追いかける展開だったが、ここから内田がギアを上げ、ミスを減らして激しい打ち合いを制して8-6で勝利した。この時点でシングルスNo.2の五十嵐は5-6と接戦を闘っており、まだ逆転優勝の可能性を残して山口にあとを託したが、惜しくもチームとしての勝利はならなかった。2年生同士の内田と松本の対戦は七大女子の中で最高レベルの闘いであった。お互い切磋琢磨してこれからも好ゲームを見せてもらいたい。

【男子決勝】 ●東北大4-5名古屋大
D3○飯田・松藤8-1:互いにサービスブレークが続いた2-1から松藤が苦しみながらもサービスをキープして3-1とするとあとは一気に8-1と勝利をあげた。飯田・松藤ペアは安定感のある試合運びで、この3日間見事にダブルス3連勝を飾った。

D2○近藤・守屋9-7:近藤のサービスキープから始まったが、キープすれば相手もキープし、ブレークすれば相手にブレークされるという一進一退の試合で、先に試合の終わった選手も大声で応援する白熱の試合となった。7-7から守屋がしっかりサーブを入れてキープすると、近藤の元気の良いパフォーマンスも出て次のゲームをブレークして9-7で勝利した。近藤は3日間を通じて元気の良いパフォーマンスでチーム全体を良く盛り上げてくれた。

D1○菅・服部8-5:菅・服部は前日までのダブルス2連勝の好調さを維持し6-2までリードしたが、ここから暑さのせいかやや動きが鈍くなり6-5まで追い上げられてしまった。ここで服部が気力を振り絞ってサービスキ-プして流れを取り戻し、かろうじて8-5で勝利した。菅・服部ペアもダブルス3連勝と気を吐いた。

S6●服部3-8:服部はダブルスが終って短時間の休憩でシングルスに入ることになった。酷暑の中の最も暑い時間帯での試合となった上、相手はダブルスNo.3で簡単に負けて休み時間を十分取っており、身体の細い服部の体力が心配となる試合であった。服部は立ち上がりこそダブルス勝利の勢いもありリードを奪っていたが、徐々に簡単なミスをするようになった。3-2リードのあとは精彩なくゲームを失い続け3-8の敗戦となった。暑さの中での体力、コンディショニングに課題を残した試合であった。他のシングルスも同様の傾向で、酷暑の中でのハードコートでの連戦が、東北大選手の力を奪ったように見えた。

S5○菅9-7:立ち上がり菅としては珍しくミスが多く0-4とリードされてしまった。ここから丁寧な配給で相手のミスを誘い、チャンスとなれば攻めるという菅らしいプレーが戻ってきて4-4と追いつき、逆転して7-6リードの場面ではマッチポイントを握ったが、ここはやや力んで逃してしまった。しかしここで気落ちすることなく次のゲームをサービスキープし、最終ゲームはその勢いで取り切って9-7で勝利した。この時点でS1以外はすでに終了しており、S1の松藤に勝利を託すことになった。

S4●飯田4-8:相手の実力No.1と思われる選手との対戦となり序盤から激しいラリーが続いた。暑さと疲れのせいか飯田の動きがいま一つ良くない。3-4までは競り合いが続いたが、そのあとは3-6、4-7と引き離され4-8の悔しい敗戦となった。

S3●守屋4-8:対戦相手はダブルスで勝っている相手でもあり、守屋の本来の良さを出せば勝てると思われたが、立ち上がりからリードを許してしまった。スピンのよくかかったフォアハンドでループボールもまぜてチャンスを伺うが2-5、3-6、4-7と差を詰めることができず4-8の敗戦となった。

S2●内山2-8:相手の強力なフォアハンドストロークに押し込まれる展開が続き、立ち上がりから0-5とリードされてしまった。ここから2ゲーム連取し前日の逆転の再現を期待したが、長いラリーの末に決められるというパターンで最後までゲームが奪えず2-8の敗戦となった。

S1●松藤4-8:相手の主将との対戦となったこの試合は立ち上がりから激しいラリーが続く激戦となった。1ポイントに長くかかり1ゲームも長くかかる一進一退の試合展開が続いた。4-3リードのあと、暑さによる体力消耗によるものか、長いラリーの末に松藤にミスが出る場面が目立ちゲームが取れない。菅が勝利し、この試合に勝敗がかかったが、その時点で4-7となっており、よく頑張って強打のラリー戦を続けたものの、相手の勢いに押し切られてしまった。さすがの松藤も不慣れなハードコートに加え、暑さと連戦の疲れで最後は上体が立ってミスが多くなってしまったのが残念だった。北大定期戦ではしっかり勝ち切って有終の美を飾ってもらいたい。


男女とも2年連続の準優勝という結果でした。
七大戦優勝の重さ、厳しさを思い知らされた大会でした。
優勝をめざし、信じていた部員一同は心底悔しがっていました。
大会終了後、部員たちの前で私が「大変良くやった」と挨拶を始めた瞬間に大勢の部員が泣き出し、ここまで一丸となって頑張ってきたことを思うと、私も胸がいっぱいになりました。
この経験を糧に、このあとの試合、特に直近の北大定期戦に勝利してもらいたいと思います。
(西谷記)

応援に来ていただいた方々:
東北大校友事業室 宮川特任准教授(校友事業室の活動として校旗を持って応援に来られました。東北大テニス部のレベルの高さに感激しておられました)
4年近藤ご家族、4年松藤お母様、3年山口お母様、3年土山ご両親、1年五十嵐お父様
萩庭会:
西谷(S52)、長田(S52)、楠(S52)、福間(S54)、小田(S56)、忍(S56)、米原(S59)、菅沼(R6)、笠原(R6)、中澤(R6)

大勢の方々に応援に来ていただきました。
記載漏れの方がありましたら申し訳ございません、紙面を借りてお詫び申し上げます。

 


2024年07月15日