東北大学・北海道大学庭球定期戦(男子92回、女子54回)観戦記
萩庭会幹事長 渡辺辰(S51卒)
北大定期戦は、札幌で、7月16日(土)、17日(日)、18日(月)開催された。試合結果は、男子が口惜しい4-5の敗戦、女子は嬉しい3-2勝利となった。
札幌の天候不良のため16日11時から北大コートで開会式だけを行い男子はフラワーテニスクラブに女子は宮丘テニスクラブに移動した。男子は3セット・タイブレークにルールを変更し、16日13時から屋内オムニの2面と屋外オムニの1面を使ってダブルスとシングルの途中まで行った。その後17日は雨天中止となり、18日は北大コートで再開し最後までを行った。一方女子は16日15時屋内ハードコート1面でダブルスからスタートし17日にダブルスの続きとシングルを行った。男子の全試合が18日12時40分に終了し、13時から閉会式を行った。
北大戦は昨年11月(仙台)、一昨年10月末(札幌)開催だったが今年はようやく例年通りの7月開催となった。OB応援者は萩庭会からは熊野睦彦氏(S50卒)、幹事長渡辺、札幌在住太田裕之氏(S61卒)市原紗江さん(R3卒)、布留川亜美さん(R4卒)、安井友莉花さん(R4卒)が応援に駆け付けた。
【女子の部】
インカレ出場選手で医学部5年生の池田が昨年から参戦しているが、テニスのレベルが高いだけでなく試合に勝つための戦略に秀でており、昨年負けた悔しさを晴らしたいとチーム力を高める役割を果してくれた。1年生4人入部し全体で7人となり、3年で主将の横山を中心に女子部員は一丸となって勝利に向かい盛り上がっていた。
D2東北大横山(3年)千田(3年)2-6 2-6北大 川合(3年)馬詰(2年)
雨天のため15時から屋内ハードコート1面でD2が開始となった。横山、千田は立ち上がり競り合ったものの、川合の安定した強打に押されて結局ストレートで落としてしまった。
D1東北大池田(5年)山口(1年)6-1 6-3北大高井(1年)藤田(1年)
続いてD1が入り6-1 4-0 となったところで19時終了となり、翌日順延となった。翌日2edの4-0から再開し、山口ダウン、高井キープで、4-2となり競り合いになるかと思われた。しかし池田が山口をうまくリードしポイントにつなげて池田のサーブをキープし5-2となり、勝敗の行方は決まり6-3で勝利した。新人1年生の山口は、のびのびプレイしており池田のアドバイスに成長しながら勝っていった。池田は、横山・千田の組み合わせは生かしたいので自分が1年生をペアに選んでダブルス勝利を目指していた。
S3 東北大 千田(3年)6-3 6-2 北大 馬詰(2年)
シングルスNo.3千田がコートに入り、ベンチコーチに池田がつく。馬詰のサービスキープで始まり千田のDF2本があり、サービスダウンし0-2となる。ここで相手ペースになりそうなところをラリーで打ち勝ち1-2。次のサービスは強気の攻めでキープし2-2となった。どうやら池田が強気の攻めを後押ししていたようだ。 次のゲームでゲームポイントまでゆくが相手粘ってキープ2-3。しかし千田の強気のペースは続いており、ラリーでポイントして3-3。相手のサービスゲームでも果敢に攻め、ラリーで打ち勝ちラブゲームでブレイク、4-3。次のサービスゲームをラブキープし5-3、そのまま6-3で1stをアップ。
2edは千田からのサービスゲームで良いサーブが決まりキープ1-0。 相手が粘って競り合いをキープし、1-1。次のサービスゲームはエースありDFありだが、弱気にならず攻め切り2-1。相手もここが勝負所とラリーの応酬でサービスキープし、2-2。千田は冷静にラリー、サービスで攻めて先行し再三のデュースを競り勝ち3-2。流れをつかみ相手のDFもありブレイクし4-2。 いよいよペースをつかみ強気にサービスキープし、5-2。最後のゲームもそのまま押し切りブレイクして6-2の勝利。この日の千田は自分の実力を出し切り試合に勝って大きな自信を得たのではないか。池田のアドバイスを生かしチーム勝利のために勝ちたい試合を強気で攻めて勝ち切ったことは今後の糧になる。池田の加入は、チーム力アップに大いに貢献している。
S2 東北大 横山(3年)1-6 1-6 北大 高井(3年)
横山のサービスから始まりあっさりとサービスダウン、0-1。相手のサービスにリターンミスを重ねてゲームポイントに、 相手のDF2本あるもキープされ0-2。相手が調子をあげてきて、フォアクロス、バックのストレートを決められサービスダウン、0-3。ここで粘ってブレイクし1-3とするも、競り合いからのミスが続き1-4。さらに1-5と相手の流れで展開が進み、あっさり1-6と1stダウン。
2edは相手のDFで30-30となるもののそこから生かせず0-1。次のサービスゲームは横山のDFもありダウンで0-2。その後デュースの競り合いをものにできず0-3。そして0-4。ようやく相手のラリーミスから1-4とするも、ペースをつかめないまま1-5、1-6と自滅気味に負けてしまった。
主将横山は3年生同士の対戦であり団体戦の粘りを見せたいところだったが、不慣れな屋内ハードコートで自分のペースを掴めないまま悔しい負けとなってしまった。
S1 東北大 池田(5年)6-2 6-0 北大 川合(3年)
シングルスNo.1池田は、東北大が負け続けていたので団体戦勝利を強く願っていた。ここまでに団体戦のポイントは2-2となっていた。本人はインカレ出場の名前に負けまいとプレッシャーを感じて緊張していたというが、傍目にはのびのびと華麗なプレイをしているように写っていた。あの小さな体のどこにあのようなパワーが秘められているのかとびっくりさせられる。川合は、池田に対抗して最初からエンジン全開で立ち向かい、良いサーブ、ラリーの応酬でポイントしサービスキープで始まった。池田は立ち上がりゆったりとしたペースでラリーからポイントして1-1のサービスキープ。川合は力みがありラリーの応酬で際どいところを狙ってアウト、さらにDFもありサービスダウンで2-1。池田のワイドへのサービスエースは効果的で、サービスゲームをらくらくキープし3-1。勝負所で川合が良いサーブを決めキープして3-2。しかし池田はギヤチェンジしてラリーでコースをつきエースを重ね4-2。川合の良いショットは、きっちりとらえられ厳しいコースにプレースメントし返球される。川合はますます無理してミスする。そのままの流れで5-2、6-2と1stアップ。
2edは、川合の粘りも通用せず池田の独壇場となる。川合のエースかと思うサーブをらくらく返球し、逆にチャンスを作りポイントする。サービスはワイドのエースとセンターに早いファーストで自在の試合展開からキープ。1-0、2-0、3-0、4-0
と一方的なゲーム展開。川合も懸命に打とうとするが池田の前には敵わない。気が付けば5-0、6-0 のスコアとなっていた。のびのびした心技体の備わったプレイスタイルに思わず見惚れトッププレイヤーの試合に酔いしれていた。
この試合結果で団体戦ポイントは、3-2で東北大優勝となった。5年前に仙台で勝利(5-0)以来の優勝となった。
卒部した市原、布留川、安井が、一緒にこの優勝を喜んでいた。
その後秋の王座では、横山主将を中心に女子部が一致団結して一部昇格の偉業を成し遂げている。池田は、来年勉学に勤しむために卒部するが、池田の闘志あふれるスピリッツを受け継ぎ最終学年の横山・千田、期待の1年生4人が、一致団結してさらなる夢を叶えてくれることを期待したい。
【男子の部】
七大学対抗戦(主管校東北大)が、7月1日~3日仙台にて3年振りに開催された。東北大男子は1回戦京大に5-4で勝利、2回戦の北大に6-3で勝利、決勝名大に4-5で敗れ準優勝。2回戦の北大にはダブルス2-1シングルス4-2の合計6-3勝利。実は2019七大戦で、決勝は東北大対北大の対戦となり北大が勝利し七大戦初優勝を達成した。しかし北大定期戦では東北大がリベンジしている。まさか2019年の二の舞にはならないよねと、黒木主将と話していたのだが…
二週間前の勝利に気のゆるみがあったのか…
D3 東北大吉川(4年)笠原(3年)6-4 4-6 4-6 北大前田(4年)関(3年)
北大4年生の前田は主将で中心選手であり、昨年もD3でポイントを取っており、団体戦勝利に向け期するものがあった。一方東北大4年の吉川も、最後の北大戦で自分が勝利の要となることを自覚して臨んでいた。この試合は屋外のオムニコートで行われ互いにポイントを取り合う一進一退の試合展開となった。1stセット競り合いから先取して東北大に勢いがあるような展開。しかし2edから前田が積極的な攻めに転じ、関との呼吸もあってきて北大が流れをつかむ展開となった。セット1-1のファイナルに入ると、D1 D2が終わりダブルスポイント1-1となり、この試合に団体戦勝敗の分かれ目が託された。前田が主将の意地を見せ勝利に執念を燃やし珍しく声出しまでして攻めの姿勢を見せ、東北大にプレッシャーをかけてきた。笠原が思い切りの良さを見せポイントを重ねる場面もあったが、北大の気迫に押されるように最後は負けてしまった。前田のキープで2-4となってから、粘って4-4まで追い上げたが、4-5 4-6で負けてしまった。
北大主将の前田が気迫の勝利をつかんだ…
一方の東北大主将黒木は、ダブルスに出場していない。今年七大戦で黒木(4年)・吉川(4年)ペアで北大前田・宮原ペアにフルセット負けしていた。黒木は、5セットを想定しエースダブルスの松藤・飯田ペアを敢えて崩しダブルスポイントを取りに行った。自分のサーブ力を考慮し、笠原をD3に起用した。
ペアを崩したダブルス結果が、団体戦勝敗を左右することとなった…
D2 東北大 松藤(2年)菅沼(3年) 6-2 6-3 北大 大川(3年)藤縄(3年)
3年生菅沼は次期主将の逸材で、1年生のシングルスから北大戦出場している。今年七大戦では菅沼・菅(1年)のダブルスで1回戦京大、2回戦北大に勝っている。松藤・菅沼のダブルスは初めてだがなかなか息のあった良いペアという感じであった。強気の松藤に引っ張られて菅沼が良いショットを決め競り合いからポイントを取って終始リードする展開で6-2,6-3のストレート勝ちとなった。
D1 東北大 飯田(2年)菅(1年) 0-6 7-6(3)(4)6-7 北大 法華津(4年)内山(3年)
北大4年生法華津は今回単複に出場し、団体戦勝利に賭けていた。東北大D1は松藤・飯田と読み心残りなく戦うことを望んでいた。
東北大は、想定外の飯田(2年)・菅(1年)をD1としてきた。立ち上がり両者激しい打ち合いとなりポイントの取り合いという試合展開となる。ここというところで北大にポイントが入り、あれよあれよという間に0-6の1stダウン。菅が、持ち前の鋭さを発揮できず弱気な気配が見え、飯田がカバーしようと無理する展開でミスを重ねた。菅は、屋内オムニコートの照明やサーフェイスの違いに戸惑い、得意のキックサーブを生かせないままファーストを終わってしまった。
2edに入り飯田がサービスキープし次をブレイクし2-0とした。1stアップして気持ちが乗っている北大は、ここで流れを渡すまいと菅をブレイクして法華津がキープし2-2の競り合いペースに持ち込む。
飯田、内山キープで3-2 3-3。 ようやく菅にエンジンがかかり良いサーブを連発するものの、相手の勢いがありブレイクされ3-4。法華津はノリノリで決めてきてキープして3-5。苦しい展開で飯田がサービスを決めキープして4-5。勝負所の相手サーブに菅リターンエースでブレイクし5-5。調子が出てきた菅がようやくキープして6-5初めてリードした。しかし北大有利の流れは続いており法華津はDFするがサービスエースを取り、6-6。タイブレイクとなり先行して3-3から一気に7-3でようやく2edアップ。
ファイナルは、法華津、飯田がサーブキープで0-1、1-1。 内山、菅も苦労しながらサーブキープで、1-2,2-2。法華津はラブゲームでキープし、飯田がデュースからサーブを決めキープで、2-3、3-3。
内山、菅ともに苦労しながらキープし、3-4,4-4。ポイント競りながら法華津、飯田がキープし4-5、5-5。次の内山があっさりキープして5-6。しかし菅がサービスセンター決め6-6。
タイブレイクは法華津から始まりサーブで0-1。 北大の攻めで0-2、0-3。飯田が決め1-3とする。 押され気味で1-4 1-5と続く展開。一本返し2-5とするもラリーから決められ2-6。 いよいよ追い込まれながらなんとか3-6、4-6とするも最後は強いサービスが決まってタイブレイクのゲームセット。気持ちで乗っていた北大が終始強気で攻め流れをつかんで離さなかった。
菅は、2edで調子をあげたように見えたものの、今年の七大戦準優勝の立役者の面影を最後まで見ることができなかった。黒木主将が敢えて飯田・菅の組み合わせにして勝利を託したが叶わなかった。
S4 東北大 黒木(4年)6-3 6-4 北大 藤井(2年)
主将の4年生黒木は、シングルスのみに出場となった。D2が終わったところでシングルスの一番手として登場したが、とても落ち着いていた。1stの立ち上がりからラリー戦の様相で、どちらが先にペースを掴むかという展開。黒木は、無理せずに自分のペースでラリー展開しチャンスには前で決める攻めの展開で先行して、そのまま6-3で1stアップ。2edは、相手もポイントを取る強気の攻めを展開して競り合いとなるが要所で相手のミスを誘う攻めの展開を続け、リードを守ったまま6-4で勝ち切った。ダブルスD1 D3が、接戦となっていただけに安定したラリーで確実にシングルス初戦を勝利したのは、主将としての役割を果している。主将としてオーダー決めに苦労したと思うが、敢えて松藤・飯田というエースダブルスを組み換えて期待の新人起用をしたのは、次の世代で七大戦優勝を叶えてほしいという思いがあるからだろう。
S5 東北大 菅(1年)4-6 3-6 北大 岩本(2年)
結果として今年の北大戦の勝敗を左右する分かれ目のシングルスとなった。 北大2年生岩本は、昨年の北大戦S6に出場しており菅沼にストレートで負けてはいるが、北大戦の雰囲気は経験している。今年7月の七大戦には出場しておらず、北大戦もこのシングルスが初登場。一方1年生菅は、今年七大戦単複で大活躍。1回戦京大戦S4で勝利、 2回戦北大戦S5で法華津にファイナル勝ち、決勝名大戦にS1で負けはしたが3-6、5-7の結果で、まさに期待の大型新人である。
菅は、D1の試合を終えて休憩後に、同じコートにシングルスS5として登場した。ダブルスの敗戦を引きずったまま、自分の調子を掴めないままこのシングルスに入った。菅のサーブで始まりサービスキープの展開で1-0、1-1、2-1、2-2、3-2、3-3
と進んだ。お互いにリラックスして良いショットを決めあっていた。菅のサービスゲームを15-15、30-30と競りあいながら30-40からあっさりブレイクされて3-4。
集中力が薄れたままリターンミスを重ねて3-5。無理してサーブからのポイントを狙いボレーミス15-40となり前でミスして1st3-6ダウン。
2edは岩本サーブでラリー、ドロップ、DF、などデュースの末に粘って取られ0-1。次のゲームでは先行されながら追いつきデュースにするも、ポイント取れずに0-2。相手は勢いに乗って攻めてきて0-3。ここで良いサービスを決め1-3とするも流れは相手に傾いており2edそのまま押し切られて2-6ダウン。菅は素晴らしいセンスを持った選手だが、北大戦では何故か淡白な終わり方となってしまった。札幌遠征の調整不足なのか、屋内オムニとの相性なのか、持ち味を発揮できないまま、初めての北大戦は単複敗戦で終わってしまった。
S6 東北大 吉川(4年)6-2 3-6 2-6 北大 藤縄(3年)
東北大4年吉川はD3の終了後休憩を経て、3番手でS6としてコートに立った。団体戦勝利に向けてダブルス1-2という結果はシングルス自分が勝たなければという心境になっていた。屋外から屋内オムニへと慣れない状況の中でゆっくりしたペースで試合を展開し1stを6-2アップ。2edが2-4となったところで、19時屋内コート予約時間終了となり、サスペンデッド。
17日は屋内コートの予約がとれず雨天中止。
1日空いて18日、雨上がりの北大コートを早朝からコート整備して、10時15分試合再開。一昨日の1st6-2、2ed2-4からの再開で心理的に吉川有利かと思っていた。藤縄の様子は、休日明け、ホームコート、OB・OG多数の応援ありで、心機一転溌溂としていた。
藤縄のサービスで始まったが、吉川のラリーミス、リターンミスなどで簡単にキープされ、2-5。次のサーブを何とかキープして3-5。競り合いながらリードを生かせずデュースから攻められ3-6
2edダウン。北大コートで再開したとたん相手は生き生きとプレイし、一方吉川は味方の応援に応えようとするものの、雰囲気はまるで変ってしまい、不利なゲーム展開を撥ね返す力を発揮できないまま2edセットを落としてしまった。
ファイナルは、吉川のサーブで始まりDFもありラブゲームでダウンし、0-1。 次の分かれ目のゲームではラリー、リターンのポイントがあり、デュースの末に先行しながら取り切れず、0-2。 次のサービスゲームを先行されてブレイクされ0-3。相手はここで強いサーブも決め楽にキープし0-4。心理的に追い詰められ競り合いの末にデュースから相手の先行が続きとうとう取られ0-5。最後の粘りでブレイクし1-5、キープして2-5とするも時すでに遅し。最後サービスキープされ2-6で終了。
この日は一方的に攻められ良いところなく、悔しいシングルス敗戦となってしまった。
S3 東北大 菅沼(3年)0-6 2-6 北大 内山(3年)
東北大菅沼が次期主将なら、北大内山も主将候補。1年生から単複に出場している内山は一昨年の団体戦勝利に貢献している強者であり、昨年も木立に粘った末に勝利している。
団体戦はダブルス1-2、シングル1-1、から北大コートで再開したがサスペンデッドだったS6が東北大劣勢で、S3に団体戦勝敗のポイントがかかっていた。菅沼、内山ともに承知していたことだろう。菅沼のサービスで始まり、競り合うものの内山が決める場面が続きサービスダウンで0-1、次に内山がキープして0-2。その後も声を出し攻め続ける内山の流れで0-3、0-4、0-5、0-6と1stダウンとなる。
2edに入りキープして1-0とするも、ますます調子をあげる内山に対し流れがつかめないまま1-1、先にブレイクされてしまい1-2となる。
サービスキープで1-3とされ、その後2-3と粘ってみたが流れはつかめず、2-4、2-5、2-6で終わってしまった。
ここで北大の団体戦勝利が決まった訳だが団体戦勝利に単複で活躍し、貢献した内山に対して、北大応援団は大いに盛り上がっていた。
S2 東北大 飯田(2年)6-0 6-2 北大 法華津(4年)
北大4年生法華津はムードメーカーで、団体戦勝敗が決まり両校の全部員が見守る中でシングルスS2対決もなんとか見せ場を作りたいと奮闘した。団体戦勝敗が決まっていなければ違った試合展開になったかもしれないが、法華津もエースを狙いにいくショットを繰り出し、飯田がそれを上回るショットで決めるという展開。両者の実力差は、はっきりしており、飯田が自分のスタイルを発揮してエースを決める素晴らしいテニスを見せた。シングルスの飯田は計り知れない可能性を秘めておりとしびれる場面で実力発揮する姿を見てみたい。
S1 東北大 松藤(2年)6-3 6-2 北大 前田(4年)
北大4年生の主将前田は、念願だった団体戦勝利を手にした喜びに満足しながらシングルスに臨んだ。昨年登場した松藤、飯田の異彩を放つ存在感に、団体戦勝利は難しいと思っていたのではないか。またS1対決は前田にとって勝利が難しいと思っていたことだろう。前田は団体戦の勝敗が決まったので個人としてハイレベルなテニスをしようと最後にS1に入った。前田が思い切りのよいラリー戦を展開、松藤が前田の決めにきたショットをカウンターで切り返しエースを決めるという見ていて楽しい試合展開となった。松藤は、打ち負けることなくのびのびと戦いポイントで競っても試合はリードしたままストレートの勝利につなげた。シングルスで1枚上手の印象を与えた。
この結果男子の団体戦は、ダブルス1-2シングルス3-3 合計4-5となり、北大の勝利となった。
今年の七大戦で、松藤、飯田ともに、1回戦京大、2回戦北大、決勝名大のシングルスで勝っており、ポイントゲッターと呼べる存在感である。松藤、飯田という2枚の切り札がありながら、しかも二週間前の七大戦では勝利していながら、北大定期戦ではまさかの団体戦敗北となってしまった。結果として2019年の逆パターンを許してしまった訳である。団体戦の難しさを改めて感じたところである。
黒木主将は最後の北大戦を勝利で飾れなかったが、コロナ禍にありながら七大戦、北大戦を戦うことができ、心残りは無いようである。すべてを終え北大コートで、選挙があり、菅沼主将、横山女子主将、根橋主務が選ばれ新たな体制がスタートした。
黒木主将は来年の東北大の活躍を心から願っていたことだろう。