北大戦観戦記

 東北大学・北海道大学庭球定期戦(男子91回、女子53回)報告   幹事長 渡辺辰(S51卒) 

11月20日(土)、21日(日)に、東北大学川内コートで北大定期戦が開催されました。
コロナ禍で大学構内開催が危ぶまれていましたが、なんとかやれました。天気に恵まれ20日 9時45分から開会式を行い、萩庭会石川会長が挨拶をし、4年生の前主将藤島輝が選手宣誓をしました。
翌21日に全試合を終わって13時20分に閉会式が行われ小川智久硬式庭球部長がご挨拶をされました。

結果、男子は東北大(7-2)、女子は北大(4-1)、の優勝となりました。

東北支部を中心に多くの先輩方が応援に駆けつけ、院生も多数顔を見せ、盛り上げて頂きました。
定期戦の戦績内容については、下記の『男子の部』、『女子の部』 をご覧下さい。

以下に試合展開を簡単にご報告いたします。


■■男子の部■■
■男子は、、昨年はダブルスを1-2とリードされ団体戦4-5の敗戦だったので、ダブルスNo.1に出た1年生ペア飯田・松藤の勝利がとても大きく、団体戦勝利の分岐点となった。北大No.1ペアの藤縄・北井にとって、絶対取りたい団体戦のポイントだったと思う。サーブに自信を持つ北井から1stセットスタートし、互いにキープで2-2の後に、北井をブレーク。しかし次の松藤がブレークされ3-3に。いずれのポイントも競り合って流れがどちらに行くか分からない試合展開が続き、ゲームカウント4-5で迎えた松藤のサーブでDF、15-30。このチャンスに北井がエースを取りブレークで、北大6-4の1st。1stアップで勢いに乗る北大は、2nd北井からのサーブでラブゲームキープ。次に東北大は順番通りに飯田がサーブに入っていきなりDF。北大に流れが行きかけポイント先行、アドバンテージ北大となったところを凌ぎ、最後はサービスエースで飯田キープ。このゲームを粘って取ったことが、勝敗の流れを決めることとなった。その後藤縄、松藤がブレークされ、北井、飯田がキープし3-3。再び藤縄サーブでラリーを制し30-40。ここで藤縄がDFしてゲーム4-3東北大リード。さて次は松藤のサーブとなりリターンエース、DF、リターンエースで15-40。またまたブレークかという場面で松藤が連続ポイント。ジュースから力強いサーブ2本でゲーム、5-3東北大リード。北井キープの後、最後は飯田のキープで2nd6-4で取ったのが大きい。その勢い3rdの北井をブレイクし一気に勝利へと進んでいった。4thの2ゲーム目に松藤がブレークされ追いかける展開となるが、松藤・飯田は互いの良さを出し合いゲームを取り、最後は藤縄、北井を続けてブレークして4thを8-6で勝利した。この1年生ペアを見ているとまるで団体戦を楽しんでいるようだった。


■No.2木立・藤島ペアは安定しており、相手が粘って 2nd 0-3とされたもののそこで流れを渡さず2nd逆転しストレートで団体戦の1勝目ゲットとなった。No.3馬場・菅沼は、出だしから押されっぱなしで1st、2ndを連取されたが、その後粘って粘って3rd目を7-5で取りその後最後の最後まで競り合った。

シングルは、No.3、No.4、No.5が先にコートに入る。
■No.5藤島は、マイペースで確実に勝利をものにした。一方No.4黒木は、フルセットの大熱戦となった。1stをマイペースで取ったが、2nd・3rdは相手がペースを変え黒木のミスを誘い連取した。それでも黒木はスライスラリーで相手を誘い逆転の勝利を果たした。
■No.3木立は 1stを取り2ndもリードして順調に見えたが、相手が木立ペースに合わせて攻めてきて2nd目を取り、3rd目は一進一退の展開となったが、16時日没順延となった。
■一方空いたコートにNo.1が入ることとなり、1年生松藤が北大No.1前田とハイレベルなラリー戦を展開した。松藤が振り切ったショットで有利に試合を進め 1stを取り、2ndで16時日没順延となった。

ここまでに団体戦ポイントは 4-1となっており、初日で大手をかける順調な内容となった。

翌日は、順延のNo.1松藤・No.3木立、No.6菅沼がコートに立った。
■No.1松藤は、まったく打ち負けることなくのびのび戦い、ポイントを競っても常に試合をリードしついにストレートで勝利した。1年生のダブルス・シングル勝利が団体戦の勝利を呼び込んだ。
■No.3木立は、この日3rd目のゲーム3-3からスタートとなったが競り合いながら最後で勝利をつかみきれず惜しい敗戦に終わった。
■No.6菅沼は、立ち上がりペースの探り合いとなったが徐々に流れをつかみ相手を振り切った。
■最後に 1年生飯田がNo.2でコートに立ち、自分のスタイルの思い切った展開で試合をしてストレートの勝利で終えた。
この結果男子の団体戦は、7-2 の勝利となった。


■■女子の部■■
■女子は4年前に仙台で5-0の久し振りの北大戦勝利以来、逆に0-5で3連敗を喫している。北大のインカレ出場選手の畠山が、単複ともにポイントを挙げている。主将布留川としては同じ4年生として今年こそリベンジしたい思いに駆られていたところに、医学部4年の池田から学友会に参戦して対抗戦を戦いたいという申し出を夏頃に受けた。布留川は、医学部に高校の同級生がおりこの友人を通して池田をもともと知っており、また医学部定期戦でもインカレ出場選手としての池田の実力は十分承知していた。コロナの規制もあり池田の参戦は10月からとなったが、11月に入り東北王座の福島大・山形大戦を含め 北大戦が3週連続の対抗戦となった。池田はテニスのレベルが高いだけではなく試合に勝つための戦略や組み立てに秀でており、一緒に戦う部員達も大いに見習うものがありチームとしての気運は盛り上がっていた。

■まずダブルスNo.2千田・横山の2年生ペアが、1stを 6-3で取り団体戦は口火を切った。昨年は一方的に押されっぱなしの展開だったが、今年は全く違う展開が予想されるスタートとなりその後も粘って粘って戦ったが、残念ながら2nd、3rdを取られ逆転されてしまった。

■続くNo.1に池田・布留川がコートに立つが、二人が組むのはこの試合が初めてであった。最初から互角に競り合いどちらに転ぶか分からない展開となったが、最後はタイブレークで残念ながらストレート負けとなってしまった。終わった後で気が付いたことだが、この北大戦はジュースゲームで決着というルールだったのにいつもの癖でタイブレークをしてしまった、と言っている。タイブレーク5-7でゲーム6-7という惜しい2ndセットだったがもしもジュースゲームで戦っていたらどちらに転んでいたか分からない。そして2ndセットを取っていれば、その後逆転もあったかもしれない実力伯仲の惜しい対戦だった。

■続くシングルNo.3千田は、粘ってポイントを重ねるものの最後振り切られストレート負けとなった。
団体戦はこれで0-3となり初日で北大戦の敗戦が決まった。

翌日シングルNo.2布留川がコートに立つが、布留川は勝利に飢えていた。試合展開としては布留川のペースで進み、思い切りよく決めてリードする場面もあったが競った場面で相手に拾われまくり惜しいポイントを逃し競り負け、勝利の女神は最後の最後に微笑んではくれなかった。北大森も4年生であり、布留川同様2年生からレギュラーとしてシングルを戦ってきており、いずれも勝利している。

■一番最後にシングルNo.1池田がコートに入るが、男子シングルも終わり全員がこの試合を見つめることとなった。医学部では実力を出し切って戦える相手がいないと言って学友会参戦の池田は、男子顔負けのラリー展開に目を見張るものがあった。
インカレ出場選手同士の北大畠山が呆然と見送るノータッチエースを決めるなど最後まで相手を圧倒し 6-1、6-1のストレートでシングルスNo.1対決を勝利した。
あの小さな体のどこに、あのようなパワーが秘められているのだろう、本当にびっくりした。
どうやら畠山は、池田の北大戦参戦に事前に気がついてなかったらしく、終わった後のレセプションでこの対戦に向けてもっと調子をあげておくべきだったと語っていた。

対抗戦は1-4で北大に敗れたものの、ダブルス、シングルスのいずれの試合も勝利は紙一重の差という戦いであった。
インカレ出場選手の池田の加入で大いに盛り上がったチームだが、コロナ禍で今年の1年生は入部しておらず来年に新入部員を期待する状況となっている。

 

【戦績】

第91回東北大学・北海道大学庭球定期戦(男子の部)
2021年11月20日~21日
東北大学川内コート

       東北大学     北海道大学    (ゲームの流れ)
ダブルス
第1位 ○ 飯田・松藤 4-6 藤縄・北井 ×  ・各ゲームとも競り合うものの、流れをつかみ振り切る
       1年・1年  6-4 2年・4年
              6-1
              8-6

第2位 ○ 木立・藤島 6-1 藤井・内山 ×  ・2St で0-3となるも、再び流れをつかみ圧倒
       4年・4年  6-3 〇・2年
              6-3

第3位 × 馬場・菅沼 0-6 前田・宮原 〇  ・3St で粘ってアップ、以降競り合い惜しくも敗れる
       4年・2年  2-6 3年・〇
              7-5
              4-6

シングル
第1位 ○ 松藤 6-2 前田 ×  ・思い切りよく振り切って自分のスタイルを展開、圧倒
          6-1
          8-6

第2位 ○ 飯田 6-1 大川 ×  ・自分のスタイルで終始展開し、圧倒
          6-2  2年
          6-0

第3位 × 木立 6-3 内山 ○  ・ラリーの応酬で互いに応戦、惜しくも粘り負け
          4-6
          6-8
          5-7

第4位 ○ 黒木 6-1 高槻 ×  ・2,3St 相手ペースで追い込まれたが、スライスラリーで大逆転
       3年 4-6 〇
          1-6
          6-0
          6-0

第5位 ○ 藤島 6-2 法華津 ×  ・終始自分のスタイルを守って展開
          6-0  3年
          6-1

第6位 〇 菅沼 6-3 岩本  ×  ・自分のペースをつかみ振り切る
          6-1 〇
          6-2

東北大学・北海道大学庭球定期戦(女子の部)
2021年11月20日~21日
東北大学川内コート

       東北大学      北海道大学  (ゲームの流れ)
ダブルス
第1位 × 池田・布留川 4-6 畠山・川合 〇
       4年・4年 (5)'6-7  4年・2年
                6-3
第2位 × 千田・横山 2-6 岡崎・川端 〇
       2年・2年  3-6  4年・〇

シングル
第1位 ○ 池田 6-1 畠山 ×      ・ハイレベルなラリーの応酬
       4年 6-1  4年

第2位 × 布留川 6-8 森 〇      ・競り合いの中で粘り負け
       4年  4-6  4年

第3位 × 千田 2-6 川合 ○
        2年 3-6 2年

2021年11月23日