北大戦の応援に行ってきました

男子第90回女子52回定期戦
                    西谷記

今年の北大戦は、新型コロナ感染拡大の影響を受け、例年の夏から10月末~11月初に日程を変更しての開催となった。
七大戦や王座など各種対抗戦が中止となる中、様々な調整を行なって伝統の定期戦の開催にこぎつけてくれた主催校の北大の皆さんに深く感謝申し上げたい。

応援、観戦の人数、方法も制限され、例年とは違った形の定期戦であった。
萩庭会からは渡辺幹事長(S51)、西谷副会長(S52)、札幌在住の太田(S60)の3名のみの応援となった。試合は秋の札幌ということもあり、例年のような暑さとの闘いはなく、やや肌寒いくらいの天候の下、声援もない静かなかつてない雰囲気の中で行われた定期戦であった。

■■男子の部■■

東北大は昨年7-2で勝利したメンバーが5人残っており連勝の期待が持てたが、新型コロナの影響で全体練習や対外試合をほとんどしておらず、いきなりの北大戦で普段の力を発揮できる分からない状況であった。尚且つ例年と違い寒さを感じる秋の札幌で、敵地北大のハードコートでの試合は厳しいものになることが予想された。

【D3:藤島(3)木立(3)(東北大)7ー5、6ー1、6ー3内山(1)大川(1)(北大)】
D3は実績のある東北大の3年生ペアと北大の1年生ペアの対戦となった。立ち上がりはお互いに固さが見られたが、苦しいサービスゲームをキープしたあとブレークに成功した東北大が5ー3とリードしたが、ここから粘られて5ー5となってしった。サービスキープして6ー5となった後の競り合いのゲームをブレークして第1セットは東北大が取った。第2セットに入ると苦しみながらもサービスキープする東北大に対しミスが出始めた北大はサービスダウンを繰り返し、6ー1で東北大2セットアップとした。第3セットも同じような展開で東北大4ー1リードまでいったが、ここから追い上げられ4ー3となってしまう。しかしここで東北大は落ち着きを取り戻し6ー3でストレート勝ちとなった。
昨年も出場している藤島と木立が落ちついた試合運びで勝利したが、北大ぺアは1年生ながらテクニックとスピードを兼ね備えており来年は要注意である。

【D2:馬場(3)黒木(2)(東北大)3ー6、4ー6、6ー2、6ー4、10ー12前田(2)法華津(2)(北大)】
東北大は3年の馬場と2年の黒木(2年)のペアで、二人ともダブルスは初出場である。北大は昨年大型新人として登場した前田と初出場の法華津の大柄なぺアである。パワーで押してくる北大ペアに対し、動きの良さと切り返しで東北大ペアが対抗する形となった。
第1セットは良く返球するものの北大のパワーがまさり3ー6で落としてしまう。第2セットに入ってもこの傾向は続き、黒木の浅くなったサーブを叩かれる場面が目立ち、良く粘ったもものの4ー6で落とし、2セットダウンとなってしまった。第3セットは苦しいサービスゲームが続くも長いデュースをキープして互角となった。3ー2からの北大のサービスゲームでダブルフォールトの連発があり、ブレークに成功すると流れが変わり、このセットを6ー2で取った。第4セットはブレークを先行され2ー4と苦しい展開となったが、ここから粘りを見せて6ー4と逆転しファイナルセットに入った。ファイナルは今年度の特別ルールで、北大定期戦史上初めての10ポイントスーパータイブレークで行われた。ここでも波乱の展開が待ち受けていた。前半の一進一退の展開から東北大のチャンスボールでタイムがかかり、やり直しのプレーで北大のスーパープレーが飛び出すという場面もあり、4ー7とリードされてしまった。すると北大にダブルフォールトが出て流れが変わり9ー7で東北大のマッチポイントとなった。ここで東北大はやや慎重になってしまいポイントをとり切れず、結局10ー12で勝利を逃がす結果となってしまった。
このダブルスの勝敗がチームの勝敗にも大きく影響することになった。

【D1:小橋(4)寺嶋(4)(東北大)3ー6、2ー6、4ー6西島(4)北井(3)(北大)】
D1は昨年と同じペアの対戦になった。昨年は東北大が勝っているが、今年は北大に地の利があり予断は許されなかった。
第1セット、お互いにサービスが良くサービスキープで進んだが、3ー4の第8ゲームで小橋がサービスを落としてしまい、そのあともサービスキープされ3ー6で北大となった。第2セットに入っても北大がサービスを着実にキープしていくのに対し、東北大は小橋が2度サービスダウンしてしまい、2セットダウンとなった。第3セットに入っても北大のサービスをブレークできず、ファーストサーブが今一つ入らない小橋のサービスゲームをブレークされ、4ー6でストレートの敗戦となってしまった。
北大ペアのサーブはパワーもあり素晴らしかったが、小橋、寺嶋ともに昨年のようなキレがなかったのは今年の対外試合の少なさも影響したと思われる。
ダブルス1ー2と苦しい展開となってシングルスを迎えることになった。

【S6:菅沼 (1)(東北大)2ー6、7ー6、1ー6、2ー6藤縄(1)(北大)】
S6は1年同士の対戦となった。二人とも伸びのあるドライブで打ち合うストローク戦で、お互いサービスキープの2ー3から菅沼にミスが出始め3ゲーム連取され2ー6で第1セットを落としてしまう。第2セットに入ってコートに慣れてきた菅沼が4ー2とリードしたところで 1日目を終えた。
2日目は立ち上がり3ゲームを連取され4ー5と逆転されてしまうが、その後なんとか踏ん張り6ー6のタイブレークとなった。これも北大戦史上初めてのタイブレークであるが、菅沼はこれを取りきってセットカウント1ー1に持ち込んだ。第3セットに入って、ラリーでは互角であるが時折ネットプレーを交える藤縄にゲームを奪われ1ー6で落としてしまった。第4セットも流れは変わらず、ストローク戦では負けていなかったが、要所でボレーを決められ2ー6で敗戦となった。
サービスやフォアハンドストロークの威力は上回っていたので、菅沼には来年に向け要所のポイントの取り方など試合運びを磨いてほしい。

S5:寺嶋(4)(東北大)3ー6、4ー6、7ー6(5)、3ー6内山(1)(北大)】
寺嶋は2年から北大戦に出ており相手は1年なので有利と予想していたが、想像以上に内山が安定したテニスを見せた。第1セット立ち上りから寺嶋にミスが多く1ー5とリードを許し、その後3ー5まで追い上げるが、ブレークポイントを取りきれず3ー6で落としてしまう。第2セットに入り寺嶋はギアを上げて鋭いショットを連発し3ー0までリードするが、ここからまた内山がよく返球して寺嶋のミスを誘う展開となり、逆転されて4ー6で2セットダウンとなってしまった。第3セットも同じ展開で序盤リードを許すが、なんとか寺嶋が踏ん張り6ー6のタイブレークに持ち込み、接戦のタイブレークを7ー5で取って第4セットに持ち込んだ。第4セットは1ー1から寺嶋が先にブレークしたがすぐにブレークバックされ、そのあとはサービスをキープできず結局3ー6で落としてしまった。
慣れないハードコートということもあったが、寺嶋に昨年までのキレがなく、内山の若さに押しきられた試合であった。

【S4:黒木(2)(東北大)6ー3、1ー6、3ー6、4ー6(西島)(北大)】
シングルス初出場の黒木と北大4年の主将西島との対戦で、経験の差から厳しい展開になることが予想された。
第1セット黒木は丁寧なストロークで強打をかわし、機を見てネットプレーを繰り出すという形で西島を翻弄した。4ー1リードから4ー3まで追い上げられたが、そのあとのゲームの長いラリーを制すと、最後はネットダッシュを織り混ぜて6ー3で取りきった。第2セットに入ると西島は無理に打たずじわじわと押す展開とし、黒木はネットプレーを封じられ、1ー6で取り返されてしまった。第3セットも西島はストロークでじっくり押して、なかなか黒木にチャンスを与えない。後半はドロップショットも交えながら最後は強打で、3ー6で西島が取った。第4セットに入ると黒木が果敢にネットプレーを仕掛けるがなかなか決まらない。よく食らいついて行ったが4ー5からサービスをブレークされて万事休した。
黒木はよく粘ったが西島の4年生の意地に敗れた試合であった。北大OBも西島がこんなに丁寧にテニスをするのを初めての見たと言っていた。

【S3:藤島(3)(東北大)6ー3、7ー5、5ー7、6ー2法華津(2)(北大)】
北大の法華津は大柄でパワフルなテニスが持ち味である。今年初出場であるが、前日のダブルスでスーパータイブレークで勝って気を良くしている。東北大の藤島は昨年はダブルスだけの出場であるが、安定感があり前日のダブルスではストレート勝ちをしている。試合はパワフルに打ちまくる法華津に藤島も負けずにフォアハンドを炸裂させ、格闘技のようなテニスになった。安定感でまさる藤島が第1セット6ー3、第2セット7ー5で連取した。このまま行くかと思われたが、第3セットは法華津の思い切りの良いショットにブレークを許してしまい5ー7と落としてしまった。第4セットは落ち着きを取り戻した藤島が相変わらす荒いテニスの法華津を抑え6ー2で取り切り勝利をあげたが、この時点ではチームとしての敗戦が決していた。

【S2:木立(3)(東北大)6ー2、6ー0、6ー2北井(3)(北大)
S2は3年生同士の対戦となった。東北大の木立は昨年もシングルスに出場しておりストローク力は折り紙付きである。一方、北大の北井は昨年はダブルスのみの出場で、サービス、スマッシュの威力はあるがストローク戦では木立に分があると思われた。試合は予想通り木立のストローク力がまさりラリーになると木立のポイントになり、北井は一本に懸けて思い切ったショットを放つという展開になった。結果は、6ー2、6ー0、6ー2と一方的な試合となった。
木立の堅実なプレー振りが際立った試合であった。

【S1:小橋(4)(東北大)3ー6、1ー6、6ー4、6ー4、10ー4前田(2)(北大)】
チームの勝敗は決したが、東北大主将の小橋としては負けられないNo1シングルスの試合であった。昨年デビューした北大の前田はパワフルなテニスに上手さも加わりレベルが一段と上がっていた。第1セットは小橋のストロークミスが目立つ一方、前田は安定感のあるサービス、ストロークで着実にポイントを奪い、3ー6で取られてしまった。第2セットに入ると小橋はしきりに脚を気にし出し、前田に1ー6と一方的に取られてしまった。あとがなくなった第3セット、2ー4とリードされてから小橋の思い切りの良いショットが決まるようになりジリジリと追い上げ、ようやく6ー4でこのセットを取った。第4セットも早々にブレーク許し1ー4と追い込まれたが、夕暮れの中小橋の鋭いフォアハンドが決まるようになり4ー4に追いついた。ここで日没サスペンデッドとなり、翌日に持ち越されることになった。
残念ながら当日に帰京しなければならず、3日目の試合はYouTubeで配信された映像での観戦となった。再開後は小橋の動きも良く鋭いサービスとフォアハンドが決まって一気に6ー4としてファイナルセットに持ち込んだ。ファイナルのスーパータイブレークも立ち上りから攻撃的なテニスでリードを奪い10ー4で勝利をあげた。

試合前、No1の試合は勝ちますと言い切った小橋が、主将の意地を見せ今年度の北大定期戦を締めくくった。

■■女子の部■■

北大はエース畠山をはじめ昨年のメンバーが全員残っており、東北大としては有力新人の服部、横山を加えてどこまで迫れるかが焦点であった。

【D2:服部(1)/横山(1)(東北大)2ー6、0ー6土洞(4)/伊藤(4)(北大)
東北大の新人二人は、立ち上りノビノビとしたプレーでファーストゲームを先取した。ストロークはほぼ互角かやや押しているくらいのプレーぶりであったが、2ー3からの第6ゲームでダブルフォルトを2本犯しリードを広げられてからは、北大の積極的なネットプレーにポイントを重ねられ、2ー6で第1セットを落としてしまった。第2セットに入ってもストローク戦は互角だが、ゲームが取れない。第3、第4、第5ゲームとデュースとし、ゲームポイントを握ったもののあと一歩で取り切れず、結局0ー6の敗戦となってしまった。
立ち上りのノビノビしたプレーを続けられなかったのが残念であった。今年はコロナの影響でこの試合が初の対外試合という二人に来年を期待したい。

【D1:尾崎(4)/布留川(3)(東北大)0ー6、0ー6岡崎(3)/畠山(3)(北大)】
第1ゲーム畠山の強烈なサーブをしっかり返しブレークポイントを何度も握ったが、ここぞというところでボレーを決められキープされてしまった。このゲームを取れなかったのが大きく、ここから北大は勢いに乗り、畠山のパワフルなストロークで組み立ててネットプレーで決めるというパターンで一気に6ー0となってしまった。第2セットも北大のパワフルなストロークはなんとかしのぐもののそのあとの甘い返球をボレー、スマッシュで決められるという形になり0ー6で押し切られてしまった。
畠山の男性顔負けのボールを力負けせずによく返球していただけに、1ゲームも取れなかったのは残念であった。

【S3:横山(1)(東北大)0ー6、0ー6川合(1)(北大)
S3は1年同士の対戦となった。ダブルスでノビノビとプレーしていた横山のストローク力に期待が持たれた。
お互いにフラット系のフォアハンドが鋭く互角のラリー戦が続いた。一本一本のショットでは互角なのだが、左右に揺さぶられた時の対応の差で横山はポイントが取れない。第4、第5ゲームはデュースとなってゲームを取れるチャンスもあったが、もう一歩届かず結局0ー6となってしまった。第2セットに入ると、気落ちしたのか横山の試合運びがやや淡白になり、早めにミスが出てチャンスらしいチャンスもなく一気に押しきられてしまった。
ダブルスで良いプレーをしていただけに残念な結果であった。来年に向け、左右に動かされた後のミスを減らすよう練習を積んでもらいたい。

【S2:布留川(3)(東北大)0ー6、0ー6森(3)(北大)】
布留川のサウスポーからの力のあるフォアハンドと森のループ系のボールの戦いで、長いラリーが続く展開が多く我慢比べの様相を呈した。第2ゲームのデュースになってからの長いラリーを落としてからは布留川にミスが続き、第1セットは0ー6で押しきられてしまった。第2セットも第2ゲームで掴んだゲームポイントを逃してからは、ラリーは続くもののポイントが取れないという展開が続き、0ー6の敗戦となった。
サウスポーからのサービスでポイントをあげる場面も何度かあり、鋭いショットも放っていたので、このスコアは本人も残念であったと思う。来年は主将として奮起を期待したい。

【S1:尾崎(4)(東北大)0ー6、0ー6畠山(3)(北大)】
立上がりのファースポイントで互角以上の打ち合いを行ない、これはよい勝負ができると期待を抱かせたが、そのあと相手の畠山を意識しすぎたかダブルフォールトを連発してしまい、畠山を落ち着かせてしまった。ストローク戦では押し込む場面も何度かあったが、そのあとのチャンスボールを決めきれずポイントに結びつかない。
結局0ー6、0ー6のスコアであったが、一本一本のショットでは決して負けておらず見ごたえのあるラリーを展開してくれたのは尾崎の心意気を示すものであった。女子部員を良くまとめ最後に素晴らしいラリーを見せてくれた尾崎を良くやったと称えたい。

東北大は新人も加わり主将の尾崎を中心によくまとまっていた。昨年課題であったダブルフォールトも少なくなってストローク力も上がっていたが、北大のレベルが一段と上がっていた。来年に向け布留川を中心に北大に追いつくよう練習を積んでもらいたい。

===== 北大戦対戦結果 =====
-男子- 東北大 4-5 北大
D.01 小橋・寺嶋 3-6、2-6、4-6 西島・北井
D.02 馬場・黒木 3-6、4-6、6-2、6-4、10-12 前田・法華津
D.03 木立・藤島 7-5、6-1、6-3 大川・内山
S.01 小橋 3-6、1-6、6-4、6-4、10-4 前田
S.02 木立 6-2、6-0、6-2 北井
S.03 藤島 6-3、7-5、5-7、6-2 法華津
S.04 黒木 6-3、1-6、3-6、4-6 西島
S.05 寺嶋 3-6、4-6、7-6、3-6 内山
S.06 菅沼 2-6、7-6、1-6、2-6 藤縄

-女子- 東北大 0-5 北大
D.01尾崎・布留川 0-6、0-6 岡崎・畠山
D.02服部・横山 2-6、0-6 土洞・伊藤
S.01尾崎 0-6,0-6 畠山
S.02布留川 0-6,0-6 森
S.03横山 0-6,0-6 川合

2020年11月05日