- 2011年7月16日〜17日 北海道大学対東北大学:庭球定期戦(男子81回、女子43回) 川内キャンパスコート
- 7月16日・17日の2日間にわたり、仙台・東北大学川内キャンパスコートにて伝統の北海道大学との対抗戦が行われた。3月11日の大地震による東日本大震災の影響で一時開催が危ぶまれたが、学生達の強い熱意で実施する方向で準備が進められた。更に定期戦を予定していた7月16日と17日に合わせたかのように“東北六魂祭:震災復興祈願”が行われることになり、仙台市内のホテルが満杯状況になってしまった。しかし北海道大学の学生達の頑張りで宿泊所の確保ができ、無事開催にこぎつけた。更に例年の仙台のこの季節は梅雨が残り暑さは左程ではない。しかし、今年は早々と梅雨が明け、仙台地方でも連日33〜34℃の猛暑が続き、涼しい北海道から遠征の北海道大学にとって過酷な条件が加わった。7月上旬に北海道で行われた七大学対抗戦では男子は北海道大学との直接対決があり5-4で辛うじて勝利を得たとの情報があり大接戦になることが予想された。仙台市内のホテルが満杯だったことと、小樽商大百周年記念行事が重なったため、北海道大学のOB・OGの応援は数名となってしまった。東北大学は若手OB・OGの団結が強く大勢が応援に駈けつけてくれたのは嬉しく心強かった。
- 初日、男子はダブルスで早々と2ポイント上げた。しかし、No.1が大接戦となり6時間近い死闘の末ファイナルセットを制しダブルスを3-0とした。シングルスもNo.4〜6の全てに勝利し早々と勝利を決めた。一方女子は部員がわずか5人の東北大に比べ、北大は層が厚く、しかも経験豊富なメンバーを擁し力の差は残念ながら歴然としていた。ダブルス2ポイントを落とし、続いて入ったシングルスNo.2も敗れ、女子は北大の勝利が確定した。
- 2日目、男子は日没延期のシングルスNo.3と残りのNo.1、No.2が入った。女子は日没延期゙のシングルスNo.3が入った。日没延期の試合が終わった時点で男子は7-0、女子は0-4となった。女子は続いてシングルスNo.1が入る。力の差はいかんともしがたく女子は0-5で完敗する。男子シングルスNo.1とNo.2は大接戦だった。結局男子はシングルスNo.1を落としたが8-1で勝利を納めた。
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男子 |
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女子 |
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東北大 |
8-1 |
北大 |
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東北大 |
0-5 |
北大 |
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D1 |
○ |
3阿部圭馬
2遠藤秋志 |
4-6
8-6
4-6
7-5
8-6 |
3森潤士郎
2千葉政徳 |
× |
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D1 |
× |
4木村愛佳
3近藤早紀 |
2-6
3-6 |
4田中裕美
2河村優生 |
○ |
D2 |
○ |
4中筋孝臣
1紀国 亮 |
6-2
6-4
6-2 |
2久保田宏樹
2松崎俊太 |
× |
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D2 |
× |
2今村優花
2横田萌々 |
1-6
0-6 |
4横山 遥
2松橋なつ美 |
○ |
D3 |
○ |
4榧野 誠
4藤沢生麿 |
6-1
6-0
6-3 |
4浄土嵩嗣
3雨宮広樹 |
× |
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S1 |
× |
3阿部圭馬 |
4-6
5-7
2-6 |
2千葉政徳 |
○ |
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S1 |
× |
3近藤早紀 |
0-6
0-6 |
2河村優生 |
○ |
S2 |
○ |
2遠藤秋志 |
6-8
6-4
6-4
6-2 |
2久保田宏樹 |
× |
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S2 |
× |
1小館 愛 |
3-6
3-6 |
2松橋なつ美 |
○ |
S3 |
○ |
4中筋孝臣 |
6-4
6-0
6-4 |
4松浦 喬 |
× |
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S3 |
× |
4木村愛佳 |
1-6
3-6 |
4田中裕美 |
○ |
S4 |
○ |
2伊藤也真人 |
8-6
9-7
6-3 |
2村瀬影信 |
× |
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S5 |
○ |
3谷端勇紀 |
6-2
1-6
6-1
6-4 |
3雨宮広樹 |
× |
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S6 |
○ |
4高橋智英 |
6-3
6-3
6-4 |
3高橋陽介 |
× |
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- 対抗戦詳細編(臨場感を考え選手名の敬称を略します。)
- 初日(7月16日)
- 開会式は宮澤部長が海外出張のため佐々木元部長が挨拶された。応援は本部(東京)からは4名だったが、東北支部から6名、更に若手OB・OGが各地から馳せ参じ20名近くになった。更に今年は応援団とチアガールも加わり、応援に関しては東北大が圧倒的に優勢だった。今年は3月の震災があったため、萩庭会と楡庭会から『ケッパレ!東北魂!』と刻印したボールを寄贈し、それを試合ボールとして使ってもらった。例年よりかなり早い梅雨明けで、朝から容赦ない日差しが照りつける。
- 【男子の部】
- ダブルス3試合が同時に入った。No.3は榧野4年・藤沢4年ペアが北大の浄土4年・雨宮3年ペアと対戦した。第1ゲーム雨宮のサービスは0-40と簡単にサービスをキープされるかと思ったが、そこから逆転しサービスブレークをする。これで緊張がほぐれたのか一気に4-1とリードする。藤沢がサービスゲームをキープし5-1、そのままの勢いで浄土のサービスゲームをブレークし6-1で1stセットをアップする。2ndセットの第1ゲームを藤沢がしっかりサービスキープし1-0とする。藤沢の重厚なプレーと榧野の軽快なネットプレーがうまくかみ合い、北大のミスを誘う。浄土の様子がおかしい。先日の七大学対抗戦では同じ組合せで北大が勝っているので、猛暑が災いしているのかも知れない。長身から繰り出す藤沢のサービスはますます強烈さを増し、しっかりキープして5-0、続く北大のサービスをブレークして2ndセットは6-0でアップする。3rdセットに入り開き直った雨宮選手のフォアハンドが決まり始めた。1-3とリードされた。ここで慌てるとどうなるかわからなかったが、落ち着いて3-3のイーブンに追いついた。榧野がサービスをキープし逆転に成功する。東北大の動きがよくなり、北大は押されてのミスが増える。3rdセットを6-3で取り、東北大に先ず1勝をもたらす。
- No.2は中筋4年・紀国1年ペアが北大の久保田2年・松崎2年ペアと対戦した。北大の第1サーバーがキープ、中筋がキープして1-1、続く北大の第2サーバーをブレークして2-1とリード、紀国もキープして3-1、北大もキープし3-2と接戦になる。“楽しむテニス”を謳う中筋は安定したサーブで連続キープし4-2と引き離す。初陣紀国の顔にも笑顔が見える。2ゲーム連取し6-2で1stセットをアップする。2ndセット北大サービスキープで1-0、中筋もキープし1-1、北大第2サーバーをブレークし2-1とした。紀国のサービスゲームで中筋が調子に乗り過ぎて粗いプレーが出た。2-2の後の北大のサーブでもミスが続き2-3とリードされる。次の中筋のサーブにも力みが見られたがなんとかキープし3-3のイーブンとする。次の北大のサーブに対し中筋の強烈なレシーブがさく裂する。紀国のプレーが安定しているだけに中筋に当りが出ると相手を圧倒する(4-3)。紀国のサーブは腰がエンドラインの外に残っているため、安定しているが破壊力がない。40-15とポイントを握ったが逆転を許し4-4になる。北大のサーブをブレークした後に中筋がしっかりサービスゲームをキープし6-4で2セットアップとする。3rdセットは最初の北大サーブをブレークした後はお互いにサービスゲームをキープし3-2となる。中筋のパワフルショットとロングボレーが相手の攻撃を抑え4-2とリードした。次の北大サーブは強烈で一進一退を繰り返しようやくブレークする。最後は紀国のサービスで締めくくる(6-2)。
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開会の挨拶(佐々木元部長) ダブルスNo.3:藤沢・榧野組
- No.1は6時間近い大激戦となった。阿部3年・遠藤2年ペアが北大の森3年・千葉2年ペアと対戦する。1stセットはパワーに押され1-2とリードされる。北大のエース千葉が2本のダブルフォルトを犯し2-2に追いつく。その後4-4とシーソーゲームになる。続く遠藤は40-15とリードしたが逆転され4-5、次の北大の森のサーブはジュースに追いついたところでサービスエースを放ち4-6で北大が1stセットを取る。2ndセットはお互いにサービスキープが続き5-5になる。阿部がキープし6-5、負けじと千葉がキープし6-6、遠藤もキープし7-6と息詰まる試合になる。次の千葉も好調でサービスキープかと思われたが、東北大の我慢が北大ペアのミスを誘い8-6で東北大が2ndセットを取りセットカウント1-1になる。3rdセットは遠藤のサービスゲームから始まったが強烈な北大のレシーブに押されサービスダウンする(0-1)。続く森のサーブは強烈でノータッチエースが出る。その一方、レシーブを返されるとストロークに粗さが出る。千葉の見事なスマッシュで一旦はリードされたが、懸命のレシーブでブレークバックし1-1とした。その後は北大のパワフルなサービスやショットが東北大のミスを誘い3-5になる。次の遠藤のサーブゲームも押され気味でブレークされるかと思ったが、千葉にイージーミスもありキープして4-5と食い下がる。しかし次の森のサービスがさく裂し4-6で3rdセットを落とす。セットカウントを1-2とリードした北大ペアは一気に勝負をかけてきた。遠藤のサービスをブレーク、続く千葉がキープし0-2となる。気押された阿部がダブルフォルトを2本犯し0-3となった。楽に勝てると感じた北大ペアに油断があったのかも知れない。 東北大は徐々に追い上げ3-4、4-4、5-4とついに逆転する。千葉がキープし5-5、阿部もキープして6-5と競る。次の森のサービスをブレークして7-5と4thセットを取り、ファイナルセットにもつれ込んだ。遠藤キープ1-0、千葉キープ1-1。阿部のサーブを北大の強烈なレシーブが襲う。0-30と追い込まれ2本のダブルフォルトでブレークされ1-2と北大優勢。その後、互いにサービスをキープし4-5で北大のエース千葉のサービスになる。それまで5回連続サービスをキープしていた千葉が乱れ、ダブルフォルト2本を犯しサービスダウン、これで5-5となり勝利の行方は全く分からなくなった。阿部と森がそれぞれキープし6-6、遠藤がキープして7-6となる。最後は千葉に迷いがありそのサービスをブレークして8-6でファイナルセットを制し、6時間近い激闘を東北大が制した。ファイナルセットでサービスを全てキープした遠藤の成長が大きい。この時点で東北大は4対0となりあと1勝となった。
- シングルスNo.6は主将の高橋智英4年が北大の高橋陽介3年と対戦する。1stセットは落ち着いてサービスをキープする。続く北大高橋のサービスをブレークし2-0と幸先のよいスタートを切ったかと思ったが、リズムに乗りきれず続くサービスを落とした。北大の高橋は声が出始める。サービスをキープし2-2になる。勢いに乗る北大の高橋の思い切ったトップスピンボールを高橋はスライスで凌ぐ。高橋の我慢のテニスで3-2とリードする。続く北大高橋のサービスゲームは北大が優勢に見えたがダブルフォルトで崩れ4-2となる。ほっとすると高橋の集中が切れる。サービスをブレークされ4-3となって再び自分に言い聞かせるように集中する。続く2ゲームを連取し6-3で1stセットを取った。2ndセットと3rdセットはダブルスNo.1とシングルスNo.4の応援で観戦できなかったが、同じような流れだったようだ。2ndセットを6-3で取り、3rdセットも5-4でマッチゲームを握っていた。北大高橋のサービスを強烈なリターンでブレークし6-4で見事ストレート勝ちを納めた。試合後「ひどい試合でした。」とベンチで話す高橋主将に「ナイスゲームだったよ。」と声を掛けた。 主将としての責任感と緊張感からようやく解き放された瞬間だったたろう。これで東北大が4勝目をあげた。
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高橋智英のサービス 東北大ベンチ 遠藤秋志のサービス
- 隣のコートにNo.4の伊藤2年が入り北大の村瀬2年と対戦している。村瀬のサーブで始まる。0-1、1-1、1-2の後、伊藤がサービスダウンし1-3、1-4と劣勢である。伊藤のフォームは変則(常に背筋を伸ばし、左ひじを外側に上げている)であるため、フォアハンドのパワーは不足しているように見える。しかし、ゆるく深いトップスピンを使ってネットにつく戦法が次第に効果を上げる。伊藤はネットプレーに絶対の自信を持っているようでここぞという時にネットに詰めてポイントを上げる。その他、緩急をつけて相手に落ち着く暇を与えないプレーは頭脳的である。1-4と劣勢になっても慌てず、後半は自分のペースに持ち込み8-6で1stセットを奪った。2ndセットも村瀬からサーブが始まる。お互いにサービスキープで3-3、次の村瀬のサーブをブレークして伊藤がそのまま押し切るかと思ったが、村瀬の強烈なストロークが伊藤のミスを誘い逆にブレークされ5-5と振り出しに戻った。再びお互いのサービスキープで6-6、7-7と競る。第15ゲーム目の村瀬のサービスゲームをブレークし最後はしっかりサービスゲームをキープし9-7で2ndセットを取った。3rdセットも村瀬からのサービスで始まる。0-1、1-1・・、2-2の後、村瀬のサービスゲームをブレークし3-2とリードしたがまたもすぐにブレークバックされ3-3となる。粘り強さで一枚上の伊藤が再びブレークバックしそのまま6-3で押し切り結果的にはストレートで勝利を納める(16:35)。これで東北大が5ポイントを上げ男子の6連覇が確定した。
- No.5の谷端3年は北大雨宮3年と対戦する。出入りの激しい試合になる。どちらも積極的な攻撃が持ち味のプレーヤーである。1stセット お互いにサービスキープで3-2とリードし次のサービスをブレークした谷端が勢いに乗る。バックアウトになるのを気にせず思い切ったストロークで雨宮を圧倒し6-2で1stセットを取った。2ndセットは雨宮のサービスとトップスピンがさく裂する。気合負けした谷端のコントロールが乱れネットが多くなる。2ndセットは1-6で雨宮がお返しをする。3rdセットは谷端からのサーブだった。今度は先行した谷端が果敢に攻め6-1で取った。4thセットは競り合いになったが、セットカウント2-1でリードしている谷端に心のゆとりが見られた。女子の試合と男子No3の試合を応援していたので経過は分からないが4thセットを6-4で取り、これで東北大学は6勝目を上げた。
- No.3の中筋4年は松浦4年と対戦する。1stセットは中筋の伸び伸びプレーに対し松浦は強打で対応する。中筋はネットに詰めていながら絶好のチャンスボールを打ち過ぎてアウトする癖が残っていたが、相手の強力なショットや遠いボールを深いスライスボールでかわせる中筋に余裕があった。1stセットを6-4で取ると2ndセットはパワー全開で相手を圧倒する。6-0で2ndセットをアップした。3rdセットの1-2で日没延期となる。
- ダブルスNo.2は今村2年・横田2年ペアが北大の横山4年・松橋2年と対戦する。結果は1-6、0-6だった。東北大の二人はまだ初級のレベルを脱していない。来年に向けて精進して少しでも上位を目指してもらいたい。北大の横山は4年で初出場と努力の人だろう。松橋は昨年から大きく伸びたように思われる。層の厚さの中で揉まれたようだ。
- ダブルスNo.1は木村4年・近藤3年ペアが北大の田中4年・河村2年組に挑戦する。田中・川村ペアは押しも押されもせぬ北大のNo.1である。結果は2-6、3-6だった。善戦といってよいだろう。
- 次いでシングルスNo.2は新鋭小舘1年が北大の松橋2年と対戦した。小舘は小柄で華奢に見えるため「大丈夫かしら?」と相手選手も思ったほどだが、見た目とは違いフルスイングから繰り出すボールには威力があった。もう少しコントロールが安定すれば充分上位選手に通じる素質を感じさせた。結果は3-6、3-6だった。これで北大が3勝目を上げ北大の4連覇が決まった。
- シングルスNo.3の木村4年が北大田中4年と対戦する。お互いに女子主将として全力で戦う。実績のある北大の田中に分があることは否めなかったが、木村が善戦する。1-6、2-4で日没延期となった。女子の試合は奥のコートで行われていたことと仮設住宅建設工事のため傍で観戦することができなかった(向こう側に回れることが後から分かったが)。
- 日没延期のシングルスNo.3と並んでNo.1、No.2が入った。
- No.3の中筋は3rdセット1-2の劣勢から一気に3-2と逆転する。続く自分のサーブもキープして4-2になる。リードすると少し調子に乗りプレーが粗くなる。松浦のサービスゲームではレシーブで圧倒しながら無茶なミスがありブレークを逃す。お互いにサービスキープで6-4と勝利する。これで男子は7勝目を上げた。
- No.1の阿部3年と北大の千葉2年は昨年と同じ顔合わせになった。昨年同様両雄一歩も引かない試合となった。昨年は激戦の末、先輩の阿部が勝ったが、今年は千葉の進境が著しくここぞという時の決定力で阿部を上回った。1stセットは阿部のサービスダウンから始まったが、第4ゲームで千葉のサービスゲームを破りイーブンに戻した。力で押す千葉に対し阿部は反応の良さでカウンターパンチを繰り出す。次のサーフビスゲームをキープし一旦は3-2とリードした。しかし今日の千葉の気迫は阿部を上回りその後阿部のサービスゲームを2回連続でブレークし4-6で千葉が取る。2ndセットが山場だった。奮起した阿部は自分のサービスケをキープしながら第6ゲームの千葉のサービスゲームをブレーク、続くサービスゲームをキープし5-2と絶対のリードをしたかに見えた。次のゲームは千葉が必至でサービスをキープし5-3となる。その次のゲームで今までキープを続けていたサービスゲームをあっさり落としてしまった。このゲームが今回の勝敗を決したと言っても過言ではなかろう。勢いに乗った千葉が3ゲーム連取し5-7で逆転する。3rdセットは気力の差が出る。サービスゲームを2度ブレークされ1-5と追い込まれる。次のサービスゲームをキープしたが続くゲームを千葉がしっかりキープし2-6で昨年の雪辱を果たされた。この試合が今回の北大男子唯一の勝ち星となった。
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ヤンチャ軍団 『刻印ボール』も活躍 新人の紀国くん
- No.2の遠藤2年対北大の久保田2年は大激戦となった。昨日のダブルスで6時間近く戦った遠藤にとって炎天下でのシングルス戦は体力的にも気力的にも辛かったことと思う。1stセットはお互いサービスキープで3-3となる。どちらも思い切りのよいストロークでベースラインぎりぎりに入る。遠藤、第7ゲームでわずかなアウトが連続しサービスダウンし3-4となる。それでもガンガン打って2ゲーム連取し5-4と逆転した。次のゲームは久保田がサービスゲームをキープし5-5になる。次の遠藤のサービスゲームは0-30、15-30、30-30、40-30でポイントを握ったがダブルフォルトで40-40になる。次のサービスを久保田が思い切りのよいリターンで返し逆にアドバンテージを握られた。遠藤の気力のサーブがダブルフォルトになり5-6、続くゲームを久保田はしっかりキープした(6-8)。2ndセットの第1ゲームは遠藤の強烈なサービスが決まり簡単にゲームキープをする。久保田もサービスゲームをキープする。次の遠藤のサービスは太陽を正面にしたせいか、第1ゲームの時の切れ味がなかった。サービスゲームを落とし1-2とリードされる。コートチェンジし今度は久保田が太陽を正面にする。遠藤が2ゲーム連取し3-2と逆転する。その後互いにサービスをキープし5-4になる。久保田のサービスを破り6-4でセットオールになる。3rdセットはお互いにサービスキープで2-2になる。ここで試合を終えた北大女子メンバーが応援に加わった。元気の出た久保田の強烈なレシーブに押され遠藤はサービスゲームを落とし2-3。集中力が切れてきたのか遠藤がネットにボールをかけ始める。久保田がサービスゲームをキープし2-4と劣勢になる。そこへ東北大の女子メンバーが加わった。遠藤はなんとかサービスをキープし3-4と迫る。コートチェンジの時の久保田の目がややうつろに見えた。気力が戻ってきた遠藤のストロークがよみがえる。続く久保田のサービスゲームをブレークし4-4に追いつく。続く2ゲームを練習し3rdセットを6-4で取る。4thセットは先が見え元気の出た遠藤の動きがよくなり2-1とリードする。安心して他のコートを応援している間に6-2で勝利を納めていた。東北大男子は8対1で6連覇を果たした。
- 日没延期のシングルスNo.3が入る。力では実績のある北大の田中が上だが、木村が深いロブを使い粘った。昨日の2-4に1ゲームを加え3-6と善戦する。これで東北大は0対4になる。
- No.1の近藤3年は北大のエース河村2年と対戦する。河村は春の北海道学生で準優勝している。七大学対抗戦でも活躍し充実している。近藤は強敵に対して憶することなく、クロスによい球を返す。しかし、河村のストロークは力強くて深い。ジリジリと追い込まれ先にミスをしてしまう。河村はストロークで追いこんでネットに詰めることもできる。近藤は悪くはなかったが力の差はいかんともしがたく0-6,0-6と完敗だった。北大女子は5対0で4連覇を果たした。
- 3月11日の東日本大震災で東北大学も大きな被害を受けた。卒業式は中止となり略式の学位授与式に替わった。入学式も新学期も1ヶ月遅れとなった。多くの犠牲者が出た太平洋沿岸部は壊滅状態だった。福島の原発事故の波紋も広がり節電その他もあり、数々の行事が自粛中止となっていた。萩庭会として東北大学の庭球部を励ますための見舞いとして何をしたらよいかを考え“刻印ボール”の提案が出された。北海道大学のOB・OG会である楡庭会からも「何かお役に立てないか」とのお心づかいがあり、刻印ボールに賛同をいただいた。刻印内容については小山会長の伝手(つて)で電通の方のお知恵を拝借し『ケッパレ!東北魂!』と決まった。ボールの発注は「ウインザー渋谷店」に頼んだ。ボール(DUNLOP FORT)は1,200個(300缶/4個入)を注文する。次に納期が問題になった。当初、納期は1ヶ月程度と聞いていたが実際には2ヶ月かかることが判明した。それでは北海道大学との定期戦に間に合わないので「ウインザー渋谷店」と「DUNLOP」に無理を言い、船便を空輸に変更してもらうことで7月13日に東北大学庭球部に届いた。「ウインザー渋谷店」からは被災地見舞いとして沢山のタオルが贈られた。多くの方のご協力を得て、特別な大会の記念となるボールとなった。関係各位には感謝でいっぱいである。今後も萩庭会の皆様や楡庭会の皆様にも手にとっていただく予定である。
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表彰式(男子:東北大、女子:北大) 応援の先輩への高橋主将の挨拶 小山会長挨拶
- @今年は東北大に応援団とチアガールが応援に加わった。
- A昨年から北大が “ポイントを取るたびに応援がコートに入る風習”をやめている。今年から東北大もそのルールを取り入れさわやかな応援風景に変わった。応援団もそれにならってルールを守ってくれた。
- Bフットフォルトについても昨年まで試合の後のレセプション等で問題になっていたが、今回は線審が敵味方なくフットフォルトに対し大きな声で「フォルト」をコールしていた。それに対し選手はクレームをつけることもなく淡々と試合を進めていた。
- Cフットフォルトだけでなく審判のコールは敵味方なく公正なジャッジをしていたように思う。(滝口記)
- 10時からコート3面を借りてOB・OGの懇親テニスを行った。1面は若手女子OGが練習に使い、私達年配OB・OGは2面を使って試合を行った。楡庭会からも3名(大野さん、吉見さん、佐々木さん)の参加をいただいた。萩庭会は11名(大場、嶋田、飯野、中尾、本田夫妻、千田、太田、小山、石川、滝口)が参加する。猛暑の中、熱中症にかかることもなく、皆さん最後までゲームを楽しんだ。特に79歳の大場さん、嶋田さんの元気なプレーが目立った。萩楡テニスは1勝1敗で引分けとなった。(滝口記)
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試合結果 |
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◎:萩楡試合 |
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× |
大野・吉見 |
4-6 |
太田・小山 |
◎ |
× |
大場・嶋田 |
2-6 |
飯野・中尾 |
○ |
○ |
千田・滝口 |
6-3 |
本田U・石川 |
× |
◎ |
佐々木・大野 |
6-2 |
中尾・小山 |
× |
○ |
大場・太田 |
6-3 |
本田T・滝口 |
× |
○ |
本田U・佐々木 |
6-2 |
嶋田・石川 |
× |
○ |
飯野・大野 |
6-4 |
千田・吉見 |
× |
× |
本田T・石川 |
2-6 |
中尾・小山 |
○ |
△ |
嶋田・太田 |
5-5 |
大場・本田U |
△ |
△ |
中尾・本田T |
5-5 |
飯野・吉見 |
△ |