- 2010年7月17日〜18日 北海道大学対東北大学:庭球定期戦(男子80回、女子42回) 北大コート
- 7月17日・18日の2日間にわたり、札幌・北海道大学コートにて伝統の北海道大学との対抗戦が行われた。今年は男子の部が80回の記念すべき大会である。7月上旬に行われた七大学対抗戦では4-5で北大に苦杯を喫している。東北大学の男子連勝記録に赤信号が灯った。萩庭会から山本三郎さんを筆頭に小山会長、千田東北支部幹事長、本部の太田監事と滝口が仙台と東京から駆けつけた。また、初日は札幌在住の太田裕之さん(S61年)も応援に加わった。二日目は佐々木元部長もとんぼ帰りの忙しい日程ながら現役部員の活躍を見守られていた。また、若手のOB・OG(野村幸一郎・水戸惟史・熊谷明日香・野々田愛・樋口小夜子・永田絵梨子、黒田千砂子)が応援に駆けつけてくれたのは嬉しかった。
- 初日、男子はダブルスを2-1でリードしシングルスも1ポイントを取り3-1でリードする。但し、日没中断となったシングルス2試合はいずれもリードされた状態なので予断は許されない状態だった。女子はダブルスNo.2は惜しい試合を落とした。ダブルス0-2、シングルスも0-2で敗戦が決まってしまった。
- 二日目、男子は日没の2試合を1勝1敗で凌いだ。続くNo3を落とし、No.1とNo.2に全体の勝敗がかかった。大接戦ながらNo.1とNo.2を取りトータル6-3で5連勝を飾った。女子は敗戦が決まっていたがNo.1は試合を捨てず最後までどちらが勝つか分からない試合だった。残念ながらポイントをあげることができずトータル0-5で敗れ3連敗となった。
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男子 |
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女子 |
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東北大 |
6-3 |
北大 |
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東北大 |
0-5 |
北大 |
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D1 |
× |
3中筋 孝臣
2阿部 圭馬 |
6-3
1-6
0-6
8-10 |
2森 潤士郎
1千葉 政徳 |
○ |
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D1 |
× |
4小原 ゆみ
4橋間 裕子 |
1-6
4-6 |
3田中 裕美
1河村 優生 |
○ |
D2 |
○ |
4我妻 佑宇
4前田 悠希 |
6-1
6-4
7-5 |
4和泉 公太
4小橋 洋太 |
× |
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D2 |
× |
4池内 雅子
3木村 愛佳 |
6-8
3-6 |
4松橋あり紗
1松橋なつ美 |
○ |
D3 |
○ |
3高橋 智英
3辰巳 由樹 |
6-4
6-2
3-6
6-2 |
4山本 隼央
2雨宮 広樹 |
× |
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S1 |
○ |
2阿部 圭馬 |
7-5
6-4
6-1 |
1千葉 政徳 |
× |
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S1 |
× |
4小原 ゆみ |
4-6
6-1
6-8 |
4松橋あり紗 |
○ |
S2 |
○ |
3中筋 孝臣 |
6-3
3-6
6-3
8-6 |
4和泉 公太 |
× |
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S2 |
× |
4橋間 裕子 |
0-6
3-6 |
1河村 優生 |
○ |
S3 |
× |
2谷端 勇紀 |
3-6
4-6
4-6 |
2森 潤士郎 |
○ |
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S3 |
× |
4池内 雅子 |
1-6
0-6 |
3田中 裕美 |
○ |
S4 |
× |
4前田 悠希 |
3-6
6-8
6-2
4-6 |
4小橋 洋太 |
○ |
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S5 |
○ |
4我妻 佑宇 |
6-1
6-1
9-11
4-6
6-1 |
3松浦 喬 |
× |
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S6 |
○ |
1遠藤 秋志 |
6-3
4-6
4-6
6-2
6-1 |
2雨宮 広樹 |
× |
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- 対抗戦詳細編(臨場感を考え選手名の敬称を略しました。)
- 初日(7月17日)
- 開会式には学生と一緒にフェリーで北海道に渡った東北支部幹事長の千田さん(女子部アドバイザー)が参加する。宮澤部長はお忙しい日程の中、時間を工面し開会式で挨拶をされてから学会参加のため午前中で帰られた。私たち飛行機組は9時40分にコートに到着する。北大の正門からしばらく歩くと応援の声が聞こえてきた。声のする方向を目指して数分、緑陰の中にテニスコートが現れた。
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- 【男子の部】
- ダブルスNo.2の我妻4年・前田4年組とNo.3の高橋3年・辰巳3年組が入っていた。先日の七大学対抗戦ではダブルスを2つ落として4対5で負けている。No.1が強敵なのでなんとしてもこの2試合を取りたい。男子ダブルスはほぼ同時に2セットアップし第3セットに入った。第3セットに入りNo.3の北大ペア(山本4年・雨宮2年)はサーブ&ヴォレーをはじめ思い切ったプレーに切り替えた。その勢いに押されたちまち3-5と追い込まれ、そのまま3-6で第3セットを落とした。一方No.2はお互いにサービスキープで3-3になる。ここで小橋4年のサーブをブレークし4-3でリードした。続くゲームをサービス好調の前田がキープし5-3で王手をかけた。しかし、第9ゲームで和泉4年がしっかりサービスをキープし5-4で凌いだ。続く我妻のサーブゲームでは小橋の絶妙なロブが決まり、我妻のダブルフォルトと前田のスマッシュミスを誘った(5-5)。続く小橋のサーブは和泉もベースラインに下がり平行陣を敷いた。ミスを誘う陣形に対し前田がうまいボレーでコースを突いたり、ソフトタッチで前に落としたりしてこのゲームをもぎ取った(6-5)。これで気を良くした前田のサーブが炸裂し7-5で勝利をおさめた。第4セットに入ったNo.3は再び粘り強さを取り戻していた。落ち着いてコースを突き相手の攻撃をかわす。スマッシュもこわがらずに打てるようになり、5-2とリードした。最後は気落ちした山本のダブルフォルト2本を誘発し6-2でゲームセット。
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- 前田 我妻 北大OB応援席
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- 続いて男子ダブルスNo.1とシングルスNo.5が入った。男子No.1は東北大エースの阿部2年とパワープレーヤーの中筋3年、北大もエースの千葉1年とパワープレーヤー森2年の対決だった。中筋と森は破壊力はあるが粗さも兼ね備えており二人のできが勝敗を左右すると思われた。第1セットは1-2までサービスダウンが続き、第4ゲームで千葉がようやくサービスキープして1-3、続く中筋もサービスキープで2-3と白熱してきた。森に粗いプレーが出てサービスダウン、阿部がキープして4-3と逆転する。次のサーバー千葉に焦りがみられる。中筋のリターンエースとバックハンドヴォレーが決まり5-3とリードを広げた。気を良くした中筋がサーブをキープし6-3で第1セットを取った。第2セットに入り森が立ち直りを見せる。森の破壊力のあるサービスやストロークと千葉の思い切ったスマッシュが面白いように決まる。第2セットの1-1から連続5ゲームを連取され第2セットは1-6で落とした。第3セットの第1ゲームは中筋のサーブ。うまいロブを2本決めてリードしたが、森の強烈なバックハンドパスと千葉のリターンエースが決まり惜しいゲームを落とした。この後、勢いに乗った北大の攻撃に押され、リズムが掴めないまま0-6と圧倒された。これで通算11ゲーム連取された。第4セットに入り東北大が落ち着きを取り戻し、阿部が流れを作り中筋が決める。北大も負けじと対抗し競り合いになる。5-4とリードしたが森がサーブをキープし5-5になる。続く阿部がサービスエースを含め30-0とリードしたが千葉のジャンプスマッシュ等の必死のプレーで逆転され5-6となった。続く千葉のサーブは北大の勝ち焦りに乗じてブレークに成功し6-6になる。続く中筋のサーブ&ヴォレーが決まり7-6と再びリードする。ファイナルセットに入りたくない森が渾身のサーブでキープし7-7と追いつく。阿部のサーブは中筋のスマッシュミスとヴォレーミスがあったが、第1サービスが決まりよく凌いで8-7とリードする。続くゲームは千葉がサーブをキープし8-8になる。中筋はサーブ&ヴォレーで相手を崩しにかかったがブレークされ8-9と逆転される。最後は森の強烈なサーブが決まり8-10で北大の勝利となった。
- 続いて、男子シングルスNo.6が入る。東北大は遠藤1年、北大は雨宮2年のルーキー対決になった。ダブルスNo.1の激戦の隣ではシングルスNo.5の我妻4年が北大の松浦3年と対戦していた。第1セットは6-1と楽に取った。しかし、試合を見ていた小山会長が「我妻君ちょっとおかしいですね。」と言う。確かにスライスボール主体で相手を動かしてはいるが、いつものパワフルなプレーが見られない。しかし順調にゲームを取り6-1、6-1と簡単に2セットアップした。少し安心して昼食に出かけた。しかし帰ってくると5-6とリードされていた。どうやら足に痙攣が来ているようだ。必死でプレーをするが7-8とリードされる。8-8になったところでトイレブレークを取り体調の回復を図ったが9-11で落とし苦しい状況になる。第4セットに入ると松浦の思い切ったフォアハンドストロークが深く入り我妻を防戦に追いやる。3-4となったところで松浦にも痙攣が起きる。4-4で我妻が復活する。しかし松浦もすぐに復活しこのセットは松浦が4-6で取った。東北大とすればまさかのファイナルセットに入る。ファイナルセットに入るといつもの我妻に戻り得意のバックハンドが炸裂する。3-0とリードすると変幻自在なゆさぶりで松浦に付け入るすきを与えず6-1で勝った。勝った瞬間の我妻の喜びを見ると余程苦しかったのだろうと察することができた。主将としての責任を果たせた喜びもあったかも知れない。
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- 東北大OB応援席 コートチェンジの応援
続いてNo.4の前田4年が入る。相手は同じ4年の小橋である。先に入った男子No.6は1年生遠藤のデビュー戦である。一方の雨宮も2年生の新々気鋭である。二人のプレーはきびきびとし小気味よい。2-1とリードしたが遠藤がヴォレーミスを連発し2-2と追いつかれる。次の雨宮のサーブは逆に雨宮がダブルフォルトを犯し3-2と再びリードする。二人とも元気がよい分、粗さも併せ持っている。3-2、3-3、4-3から遠藤の回り込んでの強烈なフォアハンドが炸裂し6-3で第1セットを取った。第2セットに入っても遠藤の強打は続く。一方、雨宮は強打を抑え遠藤のミスを待つ。遠藤のストロークに微妙な狂いが生じ、惜しいアウトボールが数本あった。第2セットは4-6で北大が取った。第3セットに入ってもテンポの良いテニスが続く。やや気になるのは二人とも平気でダブルフォルトをすることである。3-3になったところで遠藤が足を気にし始める。どうやら痙攣がきた。元気に走り過ぎたツケが回ってきたようだ。それでも遠藤は強打を続ける。遠藤はサーブをブレークされ3-4となる。雨宮の両手バックハンドは早くて深い。遠藤の攻撃を封じ3-5とする。続くサーブを遠藤がキープし4-5としたが、最後雨宮がサーブをキ−プし第3セットは北大が取る。セットカウント1対2で日没となった。
- 男子はNo.4の前田4年はスロースターターで1-3と小橋4年にリードされる。3-4と追い上げるが追い越すことができない。お互いに安定したストロークの持ち主だが、ここぞでの攻撃パターンを持っていない。いわゆる”しこる”タイプである。3-5とリードされセットポイントを握られた。絶好のスマッシュボールをミスし3-6で落とす。第2セット1-1で日没となった。トータルで3対1で初日を終えたが日没の2試合はやや押され気味であり、この2試合が全体の勝敗の鍵を握っていそうだ。
- 【女子の部】
- ダブルスNo.2は試合経験豊富な池内4年が初出場の木村3年をカバーする。北大も松橋姉4年が妹1年をカバーする。実力は互角である。前半は池内が伸び伸びと強打して北大を圧倒し5-3とリードする。あと1ゲームの焦りからか池内は松橋姉の安定したストロークを我慢しきれず強打してミスをすることが多くなる。5-5に追いつかれゲームジュースになる。再び6-5とリードしたが続く3ゲームを失い惜しいセットを落とした。第2セットは勢いに乗った松橋姉のストロークが試合の主導権を握る。木村も松橋妹も少しずつ試合に慣れてきたが、来年までにまだまだ改良の余地がある。力は互角だったが、第1セットを失ったため余裕がなくなり、残念ながら第2セットも3-6で落とした。
- 続いてダブルスNo.1が入った。ダブルスNo.1の小原4年・橋間4年は北大のポイントゲッター田中3年・河村1年と対戦する。小原と橋間は昨年も出場しており経験では上だが、七大学対抗戦優勝の立役者である北大ペアには勢いがあった。思い切ったストロークは伸びがあり、なかなかつけ込む隙がない。威力のあるボールに小原も橋間もミスが多く、1-4とリードされる。肩をいためている田中の下からのサーブにはつけこむチャンスがありそうだが、どうしてもストローク戦に持ち込まれてしまう。結局、第1セットは1-6で簡単に落とす。第2セットに入り、活路を見出そうと橋間が強打を試みるがネットにかけるミスが多い。たちまち1-5と追い込まれる。ここから勝ち急ぐ北大に対し小原の高くて深い球が相手のミスを誘う。3-5でマッチポイントを握られたが逆転して4-5と迫ったが4-6で力尽きた。これでダブルスは0対2と後がなくなった。
- シングルスNo.3が入る。東北大は池内4年、北大は田中3年である。池内は昨年の北大戦では劣勢をはね返し勝利まであと一歩と迫ったガッツの持ち主である。なんとか一矢報いてもらいたいものと期待したが、今回の相手の田中はストロークが深く安定している。ポイントを取ろうと仕掛けるとミスをする。この厚い壁の前に1-6、0-6と跳ね返された。これで女子の敗北が決まった。
- 続いてシングルスNo.2が入った。東北大は4年の橋間、北大は1年生ながらエース的存在の河村である。第1セットは河村の強烈なストロークに押され橋間にミスが出る。力を出せないまま0-6で第1セットを落とした。第2セットに入り橋間は粘りを見せる。3ゲームを奪う健闘を見せたが3-6で敗れ女子は初日で4敗となった。
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- ※以前は初日はダブルスだけを行いシングルスは2日目だったが、現在は日没までできる限りの試合を消化することになっている。
- 2日目(7月18日)
- 【男子の部】
- 昨日の日没延期の2試合が入る。一晩寝たお蔭でNo.6の遠藤は元気を取り戻していた。第4セットは最初からパワフルなストロークで慎重なプレーの雨宮を圧倒する。ヴォレーの狙い過ぎによるミスが気になったが5-1とリードした。ここで突如乱れはじめ、また足に痙攣がきたのではと心配させる(5-2)。しかし、次の雨宮のサービスをブレークし6-2で第4セットを取りファイナルセットに入った。ファイナルセットはペースを落として山なりのボールで相手の様子を見る滑り出しだった。ロブと強打の組合せで相手のリズムを崩す。回り込んでのフォアハンド逆クロスは雨宮得意のバックハンドを封じた。頭脳的プレーが功を奏し一気に5-0と北大を追い込んだ。5-0で一旦マッチポイントを握ったが雨宮がサービスエースで挽回し5-1となった。続く遠藤のサーブは切れが良くしっかりキープしてファイナルセットを6-1で下した。これで東北大が4対1と優位に立った。 続いてNo.3に初陣の谷端(タニハタ)2年が入る。相手は去年も出場している同じ2年生の森である。
- 昨日、第1セットを落としているNo.4の前田は小橋の安定したストロークの前にじりじりと差を広げられる。2-4のゲームで前田がチャンスボールでヴォレーに力みがありミスをする(2-5)。しかし、隣のNo.6遠藤のリードを見て元気がでたのか、積極的にネットに出る前向きなプレーで5-5まで追い上げた。更に果敢ネットに出てついに6-5とリードする。しかし、続く2ゲームを連取され6-8で第2セットも落とし後がなくなった。
- No.3の谷端は森の強打に臆することなく強打で対抗する。第4ゲームでサービスをブレークされた。森の長身から繰り出す強烈なサービスをブレークするチャンスはなかなか訪れない。結局サーブ力の差が勝敗を決めた。第1セットは2ブレークされ3-6で落とす。第2セットの2-2でついに森のサーブをブレークし3-2とリードしたが、すぐにブレークバックされ第2セットも4-6で落とす。
- 隣のコートのNo.4前田は第3セットに入り勝ちを意識した小橋の守りのストロークに乗じ粘り強いプレーで3-0,4-0、5-0とリズムを掴んだ。前田は6-2で第3セットを取り勝利への希望を繋いだ。小橋も4年生で勝って卒業したいという意気込みが見られる。第4セットはどちらも一歩も引かない我慢比べになる。4-4まで競った時点で前田の足が悲鳴を上げ始めた。それからの2ゲームは全く走れない状態だったが前田は必死で食い下がり勝負を捨てなかった。結局、第4セットは6-4で小橋に軍配が上がる。二人とも地味ながらチームを支えてきた素晴らしい選手である。両者の健闘を称えたい。
- No.3の谷端は第3セットに入り、森のサービスにも慣れてきた。4-4と善戦したが最後は力でねじ伏せられ4-6でストレート負けをする。これで東北大4対3北大となりNo.1とNo.2に勝敗がかかった。
- No.1は東北大の阿部2年と北大の千葉1年の対決である。阿部は東北学生の準チャンピオン、千葉は北海道学生チャンピオンで期待のルーキー同士の戦いになった。No.2は東北大が中筋3年、北大は和泉4年の実力派対決である。東北大はこの2試合のうち1試合に勝てば優勝なだけに、ひとつも落とせない北大より精神的に優位に立っている。しかし、どちらかが弱気になるともう片方に影響がでるので油断は大敵である。
- No.2の中筋は落ち着いた滑り出しである。第2ゲームで和泉のサーブをブレークし2-0とした。続く2ゲームもサービスブレークで3-1になる。和泉のスピードボールは強打が得意の中筋に合っている。サ−ビスキープで4-1とする。和泉も負けじとサーブをキープして4-2になる。和泉にとっても中筋の強打が合っている。次のゲームをとればマッチゲームになるが、中筋の強引な強打にミスが出てサービスダウンし4-3と追い上げられる。去年までの中筋なら崩れかねない状況だったが、今年の中筋は成長していた。落ち着いて和泉のサービスをブレークし5-3とする。最後は中筋の強打が炸裂し6-3で第1セットを取った。
- No.1の試合は両者互角の好勝負になる。阿部も千葉もシャープなプレーで見ていて小気味よい。凡ミスはほとんどない。お互いのサービスキープで2-2になる。千葉のサーブで1stヴォレーミスがありブレークチャンスがあったが、次のポイントで千葉はドロップヴォレーを決めジュースとしこのゲームを切り抜けた。3-4、4-4、4-5、5-5と目が離せない。次の千葉のサーブをブレークし6-5とはじめてリードする。最後は阿部がサーブをきちんとキープし7-5で第1セットを取った。
- No.2の第2セットはお互いのサービスダウンで2-2になる。和泉がサービスをキープし、中筋のサービスダウンで2-4になる。第2セットは和泉が3-6で取りセットオールになった。
- No.1の試合は第2セットに入ってもお互い譲らない好勝負が続いている。阿部はフォアハンドもバックハンドも高い打点からしっかり打ち、ボールは浮かない。サービスは強烈な印象はないがプレースメントがよく着実にサービスをキープしている。一方の千葉は強打という面では阿部を上回っているがややボールを落として打っている。サービスは強烈だが阿部のうまいリターンでサービスキープに苦しんでいる。その差が試合が押し詰まるにつれプレッシャーになったようで第2セットも6-4で阿部が取った。
- No.2の第3セットは2-1までサービスキープが続いたが第4ゲームで和泉がサービスを落とすと続く中筋も落として3-2になる。和泉のサーブを再びブレークし4-2、次のサーブをキープして5-2と差を広げた。次のゲームは激しい凌ぎ合いになる。中筋のチャンスボールのヴォレーミスや和泉の惜しいストロークミスがありはらはらさせられる。和泉のドロップショットが決まり5-3となった。続くゲームで中筋は2度のセットポイントを掴んだが和泉の懸命のプレーで逃す。3度目のセットポイントでようやく6-3とし第3セットを取った。No.1もNo.2も王手をかけた状態になる。
- No.1の第3セットは千葉のサービスキープで始まり阿部もキープして1-1になる。次の千葉のサーブゲームで阿部は2本のナイスロブとリターンエース、そしてバックハンドクロスパスでブレークする。これで完全に阿部のペースになった。千葉のストロークは抑えが利かなくなり、4-1、5-1でマッチゲームを迎えた。最後は千葉のサーブゲームだった。阿部は3度のマッチポイントを逃し4度目にようやく勝利のポイントを勝ちとった。これで東北大の勝利が決まった。
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- 小原選手 終了の挨拶
- No.2の第4セットは2-2と接戦になる。この間にNo.1の勝敗が決まる。女子の試合も終わりこの試合が最後の試合になる。勝敗が決まったが北大の主将の和泉は試合を捨てず最後まで全力プレーの姿勢を見せる。2-3、3-4、4-5と終始和泉がリードする。主将の意地で6-6まで競ったが和泉に疲れが見える。中筋は最後まで崩れるこたがなく8-6で勝利を収めた。終わってみれば6対3で東北大の勝利となったが、全ての試合が手に汗握る試合だった。(滝口記)
- 【女子の部】
- シングルスNo.1が入った。東北大は小原4年、北大は松橋4年が対戦する。4対0で東北大の敗戦は決定しているが主将としてNo.1としての意地が小原にはある。いつも通りの落ち着いた滑り出しだった。2-1とリードしたがダブルフォルトやイージーミスがあり2-3と逆転される。我慢のプレーで3-3に追いつき、次のゲームもサービスをブレークし4-3と再びリードする。しかし、小原の動きがいつもと違う。1ポイントごとに日陰で休みタオルでゆっくり汗を拭く。札幌気象台観測で今日は20年ぶりの暑さらしい。体力を消耗しているのかもしれない。いつもの粘り強さのないまま4-6で第1セットを落とした。第2セットに入る頃から雲がかかりだし少し涼しくなる。元気を取り戻した小原は思い切りのよいバックハンドストロークと追い込まれた時の高くて深いストロークで松橋の攻撃を抑える。遠くからの先輩の応援にも耳を傾ける余裕も出てきた。5-1とリードし次のマッチゲームは深いストロークで追出しヴォレーで決めたり、角度のあるバックハンドストロークで圧倒し第2セットを6-1で取った。これで小原に流れが来たと思った。しかしファイナルセットに入り勝ちを意識した小原が守りの体制に入った。松橋はこれで息を吹き返し小原は0-3と追い込まれる。まだまだ挽回できると思っている間に0-5と絶対的なピンチに立たされた。1-5と1ゲームを取ったがマッチポイントを2本握られた。よく耐えて2-5と希望を繋いだ。次のゲームもよく粘り3-5と追い上げる。次の小原のサービスゲームは素晴らしいラリーの応酬となった。松橋が絶好のチャンスボールを打ち急ぎミスを犯し4-5となる。追い上げを聞いて応援の数が次第に増える。松橋のサービスを破りついに5-5となる。ここまで来ると小原にもプレッシャーがかかる。浅くなったロブを松橋が決める。0-30、15-30、30-30、40-30で小原の回り込んでのフォアが決まりついに6-5とリードし奇跡の逆転が見えた。次のゲームは勝ちを意識した小原に焦りがあり6-6になる。小原の精神力にも限界があり続くサービスゲームで2つのダブルフォルトを犯し6-7と再逆転される。次のゲームは小原の思い切ったストロークが2本惜しいミスとなりついに6-8で敗れた。応援席からは惜しみない拍手が送られた。試合で負けた小原が着替えてすぐに男子の応援に向かう姿を見て小さな感動を覚えた。(滝口記)
- その他思いついたこと
- @若手の台頭:両軍とも1年生・2年生に有力選手が揃っていた。これから数年間はレベルの高い試合が多く見られそうで楽しみである。
- Aフォーメーション:北大はサービスゲームでオーストラリアンフォーメーションやベースラインに並ぶ平行陣形等を試していた。
- B応援の変化:様々な見解があると思うが、今回の北大応援(コートには入らない)は好ましかった。東北大も検討の余地あり。
- C個人的な進歩:選手それぞれがこの1年で人間的に大きく成長していた。
- Dボール交換:現在はナイン・イレブン方式(最初にボール3缶、9ゲーム目に最初の交歓(3缶)、+11ゲーム目に二度目の交歓(3缶)
- E若手OB・OGの応援:現役選手が知っている世代の先輩の応援は何よりも心強かったことと思う。
- F出場できなかった仲間:昨年活躍した木村健士郎君や出場できなかったメンバーの応援は一体感を生む。北大の内田女子主将の怪我は残念。
- 7月19日:楡庭会・萩庭会懇親テニス(北海道大学コート)
- 楡庭会さんのご厚意で萩庭会メンバーも懇親テニスに加えていただいた。まだ昨日までの熱気の残っている北海道大学テニスコートに朝9時に向かった。札幌にしては珍しい高湿度でじっとしていても汗ばんでくる。蚊が大量発生し幹事さん達が蚊取り線香を用意してくれた。萩庭会からは山本さん、千田さん、太田元さん、小山さん、太田裕さんと滝口が参加する。楡庭会は能勢会長・中島元部長をはじめ錚々たるメンバーが参加された。「ボールに蚊が止まっているよ!」の野次が飛ぶ。昨日までの学生達のスピードボールを見慣れた目にはそう映っても仕方がない。午後2時まで楽しませていただき私たちは帰路についた。試合結果も5対5と仲良く引分けだった。(滝口記)
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萩庭会 |
5-5 |
楡庭会 |
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○ |
小山・太田裕 |
6-3 |
岡・武内 |
× |
× |
山本・滝口 |
4-6 |
毛利・谷口 |
○ |
○ |
千田・小山 |
6-4 |
安川・岡 |
× |
○ |
山本・太田元 |
6-4 |
福渡・武内 |
× |
× |
太田裕・滝口 |
3-6 |
堀口・佐々木 |
○ |
× |
小山・千田 |
2-6 |
中島・能勢 |
○ |
○ |
太田元・太田裕 |
6-2 |
高屋敷・太田 |
× |
○ |
小山・滝口 |
6-4 |
能勢・大野 |
× |
× |
太田元・滝口 |
2-6 |
中島・福渡 |
○ |
× |
小山・太田裕 |
4-6 |
大野・太田 |
○ |