- 2009年7月2日(木)七大学対抗戦・初日(昭和の森テニスセンター)
- 本年度の主管校は東京大学であったため、会場は昭島にある”昭和の森テニスセンター”で行われた。7月2日の初日は朝からあいにくの雨模様となった。よもやと思ったが会場に着くと、学生らしい元気な声援が聞こえてくる。雨の中、試合は行われていた。東北大学の対戦相手は名古屋大学だった。女子は昨年優勝しているためシードになり1回戦はない。男子はダブルスの3試合が入っている。No.3の佐藤・我妻組は第1セットを6-0で相手を圧倒する。第2セットも4-1とリードする。No.2の木村・中筋組は力づくの攻めにミスが出て第1セットを2-6で落としてしまう。第2セットは落ち着きを取り戻し終始リードし5-2となったが勝ちたい気持ちが焦りとなり5-4と迫られた。No.1の田中・前田組は大接戦を演じ第1セットを2-5から追い上げタイブレークに持ち込んだ。タイブレークも接戦になり惜しくも7-9で落とした。雨が降りやまずコートの水たまりが大きくなり、11時半前に中断の指示がでた。
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- 中断の間に萩庭会の小山会長も到着する。13時半に試合は再開される。No.3の佐藤・我妻組は残り2ゲームを取り、まず1勝を上げる。No.2は中筋がサービスをキープし第2セットを6-4で取った。これで安心したのかファイナルセットをいきなり0-3とリードされてしまう。その間、No.1は競りながらもリードができず4-5と追い込まれた。第1セットを落としているため気持に余裕がなく4-6で落としてしまう。No.3も必死で追い上げたが3-6で落とし、ダブルスはトータル1-2でシングルス戦に入った。ダブルスのNo.1とNo.2の試合は名古屋大学の身体を張ったポーチが功を奏した。
- シングルスに入ったところで太田さんも到着する。No.6は初陣の谷嶋選手(4年)が登場する。試合運びはうまくないが思い切ったサービスとフォアハンドストロークで活路を開いた。見事6-1、6-2で初陣を飾った。No.5の前田選手(3年)はシングルスも大接戦を演じた。第1セットを4-6で落とした。第2セットも終始リードされながらも5-5に追いついた。相手選手はかなり足に疲労が来ており動きが悪くなっていた。結局7-5で取り、ファイナルセットに持ち込んだ。その間に、No.4の田中選手(4年)が勝利を決めていた。最初は田中選手の強烈なストロークを相手選手が見事に返球し競った試合になったが、途中で相手選手は緩いボールを強く返せないことに気が付き、スライスボールを交える戦法に切り替えた。見事な作戦勝ちで6-4、6-1の勝利を収めた。No.3の中筋選手(2年)は似た者同士の強烈な打ちあいになった。第1セットは若さが出て先にミスをして3-6で落とした。第2セットに入りようやく自分のテニスを取り戻し、時折スライスを加えながら、ここぞで強烈なフォアハンドを放ち6-3で取りファイナルセット持ち込んだ。No.5の前田選手の相手は足に痙攣がきている様子が見えた。ファイナルセットも呉角ながら前田選手が5-4とマッチゲームを迎えた。しかしここから前田選手は勝ちを意識したのか相手の懸命な気迫が勝ったのか、ミスが重なり5-7で惜しい試合を落とした。相手選手は勝った後立ち上がれず味方に抱えられて握手に向かった。
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- 3試合を残し両校とも2勝を先に挙げた方が勝ちである。No.2の木村選手(3年)とNo.1の我妻選手(3年)もコートに入った。No.3の中筋選手はファイナルセットに入り俄然勢いを増し、相手選手を圧倒し6-1で勝利し、名古屋大学に王手をかけた。No.2の木村選手はダブルスで負けた相手とあって闘争心をむき出しにする。相手選手も気迫では負けていなかった。激しいラリーの応酬で応援団も思わず力が入る。ポイントを取った時のガッツポーズもお互い引けを取らない。No.1の我妻選手は手首を痛めているため、きついテーピングをして試合に臨んでいる。フォアハンドを打つ時が痛そうだ。第1セットは様子を見ながらの試合で本来の切れ味が見られず4-6で落とした。No.2の木村選手は第1セットを6-3で取ったが、第2セットは勢いが空回りし逆に3-6で落とした。我妻選手は第2セットに入りエンジンがかかり6-3で取り、ファイナルセットに入る。木村選手は相手のミスに乗じ5-1とファイナルセットをリードし勝利目前になった。ここからの1ゲームが遠く、ついに5-4まで追い上げられた。我妻選手が本来の調子を取り戻していたので東北大の勝利が見えてきただけにNo.2の追い上げは精神的に大きな負荷となった。しかし、5-4のゲームを見事制し東北大に勝利をもたらした。木村選手の喜びは爆発し嬉しそうだった。「早く握手に行きなさい!」と私は心の中で叫んだ。ダブルス1-2の劣勢をはね返した勝利は見事だった。(滝口記)
- 2009年7月3日(金)七大学対抗戦・二日目(昭和の森テニスセンター)
- 二日目は男女共に準決勝が行われた。今日も太田さんと小山さんが応援に駆けつけてくれた。楡庭会の青戸さんや安達さんとも挨拶を交わした。男子は東京大学、女子は北海道大学が相手である。男子ダブルスは昨日と同じオーダーだった。No.2の木村・中筋組は東大ペアの確実なストロークと動きの良いネットプレーに圧倒され、ミスが先行する。昨日、強打を炸裂させていた中筋は焦りと苛立ちによる悪循環に陥ってしまった。チャンスに気持ちがはやりネットにボールをかけてしまう。ミスをすると強打ができず中途半端な振りでアウトする。木村は比較的落ち着いてプレーしていたが、相手を慌てさせるところまではいかず、0-6、0-6で完敗だった。No.1の田中・前田組も第1セットはイージーミスが出て4-6と落してしまった。No.3の佐藤・我妻組は少し離れたコートでプレーしていたため遠目にしか応援できなかったが、順調にリードしていた。No.1の田中・前田組は次第に本領を発揮する。強打に緩球を混ぜて相手のチャンスをそらし、ミスを誘った。第2セットを6-1で取りファイナルセットに持ち込んだ。No.3の佐藤・我妻組は順位を下げてでたこともあるが、危なげなく6-3、6-4で勝利を収めた。No.1の田中・前田組はファイナルセットに入っても勢いを持続し6-1で勝ち、トータル2-1でダブルスをリードした。
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- 女子ダブルスNo.1の小原・川村組は確実なストローク力で北大ペアのミスを誘い6-3で第1セットを取った。しかし第2セットに入り北大ペアの思い切ったポーチが決まり、東北大のレシーブに微妙な狂いが生じた。相手のポーチを計算しクロスに強打するが逆にカウンターボレーが決まったり、ミスを誘われた。No.2の黒田・橋間組も第1セットをタイブレークに持ち込んだ。去年の北大戦を思い起こさせるシーンだった。結局、このゲームを落としたことで去年と同じ状況になった。勢いに乗った北大ペアが第2セットも6-2で取り、東北大は初戦を落とした。No.1の小原・川村組はミスを連発し第2セットは1-6で落とした。ファイナルセットに入り、相手も勝ちを意識し思い切ったプレーは少なくなった。しかし、接戦の中で時折ポーチを行うだけでも充分な効果があった。結局4-6で落としダブルスは0-2と後がなくなった。
- 男子のシングルスは東京大学のオーダー編成が勝敗を決めた。結果から言うと、No.1の我妻に東京大学は当て馬(と思われる)を配置したため、我妻のポイントが意味をなさなくなってしまった。No.2の木村(3年)がダブルスの相手と当ったが実力差は如実で、懸命に食い下がったが1-6、2-6で敗れた。No.5の中筋(2年)とNo.4の田中(4年)が入り、木村の後にNo.6の佐藤(4年)が入った。田中は好調で安定したストロークとここぞの強打でポイントを重ね第1セットを6-3で取った。佐藤も第1セット途中までは4-1とリードし東北大が優位に思われた。中筋はダブルスの後遺症があり、肝腎なポイントでの押さえがきかずミスを重ねている。力の差は左程ないように思われたがメンタル面で相手の方がはるかに優っていた。結局スコアの上では2-6、2-6と完敗だった。佐藤は風邪をひいており体力に心配があった。一生懸命強打するが、どうしてもボールが短くなる。じわじわと追い上げられ、第1セットを4-6で落としてしまった。それを見ながらの田中は第2セットに入り正確なプレーに微妙なずれが生じ始める。冷静にプレーしているようで、多少焦りがみられた。5-4でマッチポイントを3本逃がしたのが彼の心の中を象徴していた。結局6-6のタイブレークまでもつれこみようやく7-6で勝利をものにした。No.5の前田(3年)が試合に入ったが、力の差はいかんともしがたく随所にスーパーショットを見せたが2-6.2-6でストレート負けした。ここでトータル3勝4敗となる。No.1の我妻(3年)は実力に開きがあり第1セットを6-1で簡単に取る。試合はNo.6のポイントにかかった。佐藤は体調不良をおして第2セットを踏ん張ったが、ゲームカウントで追いついても追い越すことができず、終始精神的に追い込まれた状況でプレーする。もつれにもつれてタイブレークになった。タイブレークに追いついてほっとしたのも束の間でたちまち1-5と窮地に追い込まれた。ここから懸命に追い上げ5-5に追いつき、奇跡的な勝利も見えた。しかし、ここまでが限界で5-7でゲームセットとなる。悔しい敗戦だったが、両チームの健闘を称えたい。
- 女子はシングルスNo.3の池内が0-6、1-6と力負けし北大の前に敗戦が決定した。No.2の小原も敗戦のショックを引きずりいつもの粘りが見られず北大の安藤選手に苦杯を喫した。ただ、私達が目にした課題を克服すれば来る北大戦には勝てる可能性は見出せた。(滝口記)
- 【余談】会場の都合と言うが、2日目から応援はベンチコーチ以外は拍手以外禁止(私達OB・OGにはその旨伝えられていなかったが)になったようだ。「ナイスショット」の声も掛けられないようだ。それは仕方がないとしても、ベンチコーチは皆を代表して応援団の替わりとなり大声で怒鳴っている。ひどいベンチコーチは味方の応援ではなく、相手選手に向かって「今のポイントはでかい!」などプレッシャーをかけている。本来のベンチコーチはどこに行ったことやら。審判のジャッジもミス(身びいき)が多いように思われた。
- 2009年7月4日(日)七大学対抗戦・最終日(昭和の森テニスセンター):男子3位、女子4位
- 最終日とあって各大学のOB・OGの応援姿が多くなる。東北大学も遠く仙台から千田正義さん(S42卒)、熊谷明日香さん(H21卒)、樋口小夜子さん(H21卒)が駆けつけてくれた。また、千葉から青木緑朗さん(S42卒)、炭田泰孝さん(H20卒)、鈴木拓さん(H21卒)が応援に加わる。萩庭会世田谷テニスメンバーの岡本金弥さん(S39卒)、太田元夫さん(S42卒)、小山小次郎さん(S43卒)、滝口隆(S42卒)を合わせ10名が応援する。今日は男女とも3位決定戦である。男子は北海道大学、女子は京都大学が相手だった。
- 男子ダブルスはNo.1田中・前田、No.2木村・中筋、No.3佐藤・我妻と3日間同じオーダーで臨んだ。No.3は落ち着いたプレーで6-3、6-1と幸先の良い1勝を挙げた。一方、No.1とNo.2は接戦となった。No.2は多少ミスがあったが伸び伸びプレーで6-4と第1セットを奪取する。No.1は第1セットの出だし4-2とリードしこのままセットを奪うかと思われたが北大ペアの開き直った思い切りの良いショットと反応の良いネットプレーに手を焼き、なんと5-7で落としてしまった。第2セットに入っても北大の気迫は持続する。我慢の田中が凌いでチャンスを作り前田が決め少しずつ盛り返す。第2セットを6-4で取りファイナルセットに持ち込んだ。No.2は第1セットを取った勢いで第2セットを力づくで取りに行きプレーが粗くなってしまった。まだまだと思っている内に0-3と大きくリードされてしまった。コンビネーションも崩れかけたが木村、中筋の二人がじっくり状況を確認しあったのがよく、追いあげて6-6のタイブレークに持ち込んだ。ここで再び心に隙ができあっと言う間に<3-6>で相手方のセットポイントになる。ここから踏ん張り<5-6>まで迫ったが時遅く第2セットを失った。しかし、第2セットで簡単に崩れなかったことが自信として残り、第3セットは実力を発揮し6-3で勝利した。No.1の田中・前田組はファイナルセットに入り、いつもの調子を取り戻して6-3で押し切った。終わってみればダブルスは3-0だった。
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- 男子シングルスはNo.4木村、No.5佐藤、No.6前田が入った。3者3様の第1セットになった。前田は最初から激しい攻防を繰り広げ7-5で取る。佐藤は終始落ち着いてプレーし6-3で貫禄を示す。木村は北大のエース東選手の強力なフォアハンドに対応できず0-6で落としてしまう。第2セットに入り佐藤は相手につけいる隙を与えず6-1で東北大学の4勝目を挙げた。木村は第2セットに入り、相手のフォアハンドにタイミングが合うようになり、得意のバックハンドで対抗し前半をリードした。後半は北大が地力を発揮し木村の善戦むなしく4-6で北大に1勝を献じた。No3に田中が入った。前田はようやく第1セットを取った安堵感から集中力が戻らず1-6であっさり第2セットを失った。その間に田中は6-2で第1セットを奪う。彼のプレーは安定感があり見ていて安心である。No.2の中筋も試合に入る。ダブルスを制したことで心にゆとりができた。見ていて安心なプレーで第1セットを6-3で取った。一方、前田はファイナルセットに入り再び激しい攻防戦になる。一進一退を繰り返す。その間に田中が第2セットに入っても着々とポイントを積み重ね6-4で取り東北大学の3位を決定した。前田と中筋のふたりはそろって5-4とマッチゲームを迎えた。まず前田がシングルス初勝利を手にいれ、続いて中筋も嬉しい勝利をつかんだ。勝敗が決まったためNo.1の試合は我妻が手首の大事を取り棄権する。
- 女子の試合コートは袋小路状態で私達応援団は中に入れず、金網越しにしか見ることができなかった。しかもスコアボードが手前にあるため試合状況がつかめなかった。ダブルスNo.1小原・川村、No.2黒田・橋間、シングルスNo.1川村、No.2小原、No.3池内と昨日と同じオーダーだった。ダブルスNo.2の橋間はフットワークがよくストロークが安定している。黒田は肩がよく回りスマッシュやボレーが上手である。No.1の小原と川村はストロークに絶対の自信を持っている。しかし、安全志向のためネットプレーで相手にプレッシャーを掛けることができない。相手のポーチを警戒するあまり試合展開が単調になってしまった。ダブルスは1勝1敗でシングルスに入った。
- シングルスNo.3の池内は力を発揮できずに敗れたが、試合経験を積むことで試合慣れしていくことと思う。No.2の小原はストローク力に優っている。相手のバックサイドを突いて勝利し、No.1の川村に望みを繋いだ。しかし京大の選手は強豪選手だった。しっかりしたストロークで付け入る隙を与えてくれなかった。残念ながら女子は4位に終わった。
- 3日間にわたった大会も終わり選手たちの顔にも安堵感が漂っていた。私達OB・OGに素晴らしい戦いを見せてくれたことに感謝する。2週間後には北大戦が待ち受けている。息をつくヒマもなく大変だろうが、ベストのチーム作りを行ってもらいたい。(滝口記)
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