第95回毎日テニス選手権のベテランテニス大会が昭和の森テニスセンターで開催されています。その中の70歳代の部で萩庭会前会長の小山さんが次々にシード選手を破り決勝に進みました。決勝の相手は第二シードの桐原清徳さんでした。お互いにバックハンドストロークが得意でボールが深く、ミスがほとんどありません。ストロークの威力ではやや桐原さんが勝っていましたが、ネットプレーでは小山さんが一枚上でした。第一セットは一進一退を繰り返します。0-1、1-1、2-1、2-2、2-3、3-3、4-3そして4-4になりました。お互い一歩も引かない白熱した試合です。小山さんのライジングショートクロスが決まれば、桐原さんが果敢にネットに詰めます。小山さんの惜しいミスで4-5。小山さんは我慢のﾌﾟﾚｰで40-30でゲームポイントを握りました。続くプレーでストロークでチャンスを作った小山さんのフォアハンドボレーが決まったかと思われましたがライン際のきわどいボールを「アウト」とコールされ40－40となりました。ノーアドの次のポイントをミスし第一セットは4-6で落としました。第二セットの始めは気落ちした小山さんのミスが連続し0-1、0-2とリードを許しました。続くゲームは激しいラリーの応酬でしたが小山さんにミスが出て0-15、更に珍しくダブルフォルトを犯し0-30となりました。ここで崩れないのが今回の小山さんです。逆転して1-2とし、続くゲームも我慢強く桐原さんの攻撃に対応し2-2としました。勢いに乗った小山さんのバックボレーのショートクロスが決まり3-2とリードしました。次のゲームは桐原さんが開き直り小山さんも必死で走りましたが3-3に追いつかれました。続くゲームは15-30でのフォアのクロスボレーが惜しくもアウトし3-4と逆転されます。次のゲームは小山さんのバックハンドスライスの切れ味がよく、競ったゲームを取り4-4としました。ここからは気力の勝負です。桐原さんは１球ごとに声を出し自分を奮い立たせます。小山さんもよく走りましたが4-5になりました。マッチゲームは小山さんが桐原さんを前後左右にゆさぶり何とかポイントを取ろうとしましたが、桐原さんの粘り強さが小山さんのミスを誘い4-6で桐原さんが勝利を収めました。今大会、ノーシードから第13シードの佐野さん、第5シードの田口さんそして第１シードの水田さんを次々に破った小山さんに注目が集まったことは疑いありません。準決勝の水田さんとの試合は２日前のダブルス戦で転倒し目の周りを打撲した水田さんは本来の調子ではありませんでした。一方、小山さんは絶好調で特にバックのスライスがベースラインぎりぎりまで伸び、水田さんが追い込まれてミスをするシーンが何度もありました。楡庭会の西さん、斎藤さんも祝してくれました。（滝口記）