- 2010年4月20日(火) 七大学OB戦(第5回スーパーシニア大会・72歳以上):高井戸ダイヤモンドテニスクラブ
- 今年は天候が異常で、目まぐるしく天気や気温が急変し七大学OB戦の各大会は幹事校にとって心配の連続だった。東北大学はシニア大会・スーパーシニア大会の総務担当の年だったこともあり、心配はなおさらだった。特に今回のスーパーシニア大会は天気予報が”午後から雨”とあって気がもめた。高井戸ダイヤモンドテニスクラブの協力もあり午後にはコートを11面使い雨が本降りになる前に全ての試合を消化することができた。結果は名古屋大学が接戦を制し優勝した。東北大学はライバルの北海道大学に勝ち1勝を挙げたが1勝3敗で6位であった。
- 第1ラウンドは東京大学である。東京大学はメンバーが8名しか揃わず、自動的に1番手は不戦勝となる。残り4試合のうち2試合を取れば東北大学の勝ちになる。3番手の厚母(82歳)・安田(73歳)組が接戦を制し1勝を挙げたが、残りの3試合はいずれも0-6でシャットアウト負けを喫する。しかし、この3試合には世田谷テニスのメンバーである石館さん、藤井さん、山本さんが今回はじめて選手として参加した。2番手の瀧田・加藤組(東大)は合計年令172歳(86歳が2人)で石館(80歳)・白石(76歳)組をもってしても16歳の年齢差があり15+1ゲームのハンデイがある。86歳と言ってもお二人とも大変お元気で、このハンディは大きな重荷になった。4番手の磯部兄弟(東大)は練習豊富で息もぴったり合っており、急造ペアの藤井(78歳)・岡田(73歳)組をコントロールよく揺さぶりポイントを重ねた。5番手の大澤・小倉組は全日本選手だけあって地力に差がある。山本(74歳)・村上(73歳)組は第1ゲームを競ったが、その後は相手の力に押されてしまった。No.1のエキジビジョン試合の渡辺(84歳)・浅野(74歳)組は4-6と善戦した。
- 第2ラウンドの対戦相手は宿敵の北海道大学である。この試合は落とすわけにいかず必勝の体制で臨んだ。1番手は満を持して本大会最高齢の川西さん(92歳)が加藤さん(77歳)と組んで出場する。対戦相手は本大会2番目に高齢の奥村さん(88歳)と藤野さん(女性:10歳加算)のペアでハンディはキャンセルされる。加藤さんのコートカバーは相変わらず素晴らしい。川西さんのラケット捌きは見事で相手コートの空いてる場所に的確にボールコントロールする。「川西さんにボールを打たない方がいいよ。」と北大ベンチからアドバイスが出るほどだった。奥村さんもお元気で藤野さんとのコンビネーションが次第によくなり接戦になった。しかし、地力に勝る東北大が勝利した。2番手の厚母(82歳)・嶋田(78歳)組は薗田(76歳)・大西(73歳)組と対戦する。年令差が11歳あるため15ハンディをもらう。前半は嶋田さんのストロークと厚母さんのネットプレーがうまくかみ合いリードするも、後半に疲れが出て追いつかれてしまった。3番手は往年の名コンビ大場(78歳)・白石(76歳)組が登場する。相手は村瀬(74歳)・剣持(73歳)組で合計年齢は7歳若い相手だった。試合途中から風が強まり、ボールが伸びてきたり、逆に止まったりで厳しいフットワークを強いられたが大場さんがよく走り白石さんがチャンスボールを決める。ぴったり息の合った東北大が6-2で勝ち貫録を示した。4番手は浅野(74歳)・村上(73歳)組で顔なじみの青戸(73歳)・今野(73歳)組と対戦する。攻撃力はあるが波のある東北大に対し攻撃力は左程ないが安定感のある北大の対戦は一進一退を繰り返した。最後はミスの少ない北大ペアに軍配が挙がった。2対2で5番手の東北大の安田(73歳)・岡田(73歳)組と北大の末光(72歳)・佐野(72歳)組の試合にポイントがかかった。第1試合でもよく走り素晴らしいプレーをした安田さんがこの試合でも随所で厳しいボールを良くつなぎ、岡田さんの攻撃力を助長する。大接戦になったが息の合った安田・岡田組が貴重な勝利をつかんだ。
- オーダー交換(北大戦) 奥村・藤野・川西・加藤 大場 白石
- 第3ラウンドを休み、第4ラウンドで名古屋大学と対戦した。1番手の渡辺(84歳)・安田(73歳)組は強豪の滑川(86歳)・渡辺(74歳)組と対戦する。安田さんの足の動きは相変わらずよく、難しいボールに食いつきうまい場所に返球する。渡辺さんもボールがよく見えているようで反応がよい。要所でボレーを決めていた。試合は大接戦でJOPランキング4位(80歳以上)の滑川さん相手に一歩もひけをとらなかった。惜しくも4-6で敗れる。2番手は嶋田(78歳)・大場(78歳)組が佐藤(75歳)・大木(73歳)組と対戦した。相手は合計年令で8歳若い。各ゲームの中では競りながらなかなかゲームが取れず0-6のスコアになった。嶋田さんのバックハンドストロークは安定しており相手を悩ませたが、チャンスのフォアハンドボレーにミスが出たのは惜しかった。3番手の藤井(78歳)・加藤(77歳)組は浅井(74歳)・柴田(73歳)組と対戦する。この対戦も相手が8歳若い。加藤さんも藤井さんも良く走りよく守ったが脚力に差が出た。4番手の石館(80歳)・村上(73歳)組も8歳年下の片岡(73歳)・山川(72歳)組と対戦する。石館さんはこのところの練習不足があり本来の動きができない。得意のボレー(通称:蠅叩き)も不発で、試合後「蠅が飛んでこなかったよ。」と冗談で語っていた。5番手の水野(77歳)・浅野(74歳)組は7歳年下の山本(72歳)・川上(72歳)組と対戦する。初出場の水野さんは試合の雰囲気に慣れるまで時間がかかった。浅野さんも好調の波を引き寄せることができなかった。終わってみればトータル0対5の完敗だった。2番手以降は7〜8歳若くいずれもハンディのつかない厳しい組合せだった。
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渡辺 安田 嶋田 大場 激闘(左:重光・藤山、右:村上・岡田)
- 第5ラウンドは大阪大学と対戦する。天気が怪しくなってきたため5試合が一斉に入る。1番手の川西(92歳)・安田(73歳)組は小林(82歳)・矢野(80歳)組と対戦した。川西さんは身体が冷えてしまったのかボールがラケットの芯から微妙にずれミスを重ねた。安田さんも動きが鈍っている。0-3とリードされた頃からようやく身体が温まってきたようだ。追い上げて接戦となったが惜しくも4-6で敗れた。2番手(嶋田・加藤組)、3番手(大場・白石組)、4番手(山本・浅野組)は1番手の試合が終わる前にまさかの敗北を喫していた。5番手の岡田(73歳)・村上(73歳)組も重光(72歳)・藤山(72歳)組にあっと言う間に0-5とリードされ、あと1ゲームでまたも0-5の完敗かと誰もが思った。なんとか1ゲームを取ってから、東北大ペアの動きが変わった。それまで岡田さんは得意のハードショットをアウトすることが多く、村上さんもボレーで難しい場所を狙いイージーミスを連発していた。ギアが変わったかのように岡田さんのストロークが安定し、村上さんもボレーミスがなくなった。大阪大学も崩れることがなく素晴らしい試合になった。両チームの応援がこの試合に集まり成り行きを見守る。厚母さんがベンチから声をかけ盛り上げる。4-5から5-5に追いつくゲームは一進一退で大きな山場だった。ついに6-5で逆転した時は両チームから大きな拍手が起きた。トータルでは1-4で敗れたが、この試合に勝ったことで我がチームは大いに盛り上がった。
- 後列:石館、白石、山本、水野、嶋田、鈴木、岡田、藤井、浅野、安田、太田、阿部
- 前列:大場、渡辺、厚母、川西、加藤、村上
- 試合が終わると同時に雨が本降りになる。懇親会は無事試合が消化されたこともあり、和やかな雰囲気に包まれる。担当幹事校を代表して阿部彦弥太さんが乾杯の音頭をとる。最高齢選手の川西さん(92歳)の「まだ頑張ります。」のスピーチに会場から盛大な拍手が贈られた。各大学の代表者からのスピーチはいずれも人生の達人らしくユーモアに溢れ楽しいものだった。とりわけ6位、7位と下位に甘んじた東北大の白石さん、北大の奥村さんの話は会場中を爆笑の渦に包むもので優勝チームに負けないものだった。藤井さんの締めで無事大会が終了した。(滝口記)
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東北大学 |
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2-3 |
東京大学 |
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東北大学 |
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3-2 |
北海道大学 |
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順位 |
選手名 |
年齢計 |
スコア |
選手名 |
年齢計 |
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順位 |
選手名 |
年齢計 |
スコア |
選手名 |
年齢計 |
1 |
渡辺・浅野 |
158 |
4-6 |
清水・田辺 |
140 |
|
1 |
川西・加藤 |
169 |
6-3 |
奥村・藤野 |
167 |
2 |
石館・白石 |
156 |
0-6 |
瀧田・加藤 |
172 |
|
2 |
厚母・嶋田 |
160 |
4-6 |
薗田・大西 |
149 |
3 |
厚母・安田 |
155 |
6-4 |
栗原・山中 |
157 |
|
3 |
大場・白石 |
154 |
6-2 |
村瀬・剣持 |
147 |
4 |
藤井・岡田 |
151 |
0-6 |
磯部・磯部 |
147 |
|
4 |
浅野・村上 |
147 |
4-6 |
青戸・今野 |
146 |
5 |
山本・村上 |
147 |
0-6 |
大澤・小倉 |
147 |
|
5 |
安田・岡田 |
146 |
6-4 |
末光・佐野 |
144 |
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東北大学 |
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0-5 |
名古屋大学 |
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東北大学 |
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1-4 |
大阪大学 |
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順位 |
選手名 |
年齢計 |
スコア |
選手名 |
年齢計 |
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順位 |
選手名 |
年齢計 |
スコア |
選手名 |
年齢計 |
1 |
渡辺・安田 |
157 |
4-6 |
滑川・渡辺 |
164 |
|
1 |
川西・安田 |
165 |
4-6 |
小林・矢野 |
162 |
2 |
嶋田・大場 |
156 |
0-6 |
佐藤・大木 |
148 |
|
2 |
嶋田・加藤 |
155 |
1-6 |
山本・中山 |
152 |
3 |
藤井・加藤 |
155 |
1-6 |
浅井・柴田 |
147 |
|
3 |
大場・白石 |
154 |
0-6 |
石神・柴原 |
147 |
4 |
石館・村上 |
153 |
2-6 |
片岡・山川 |
145 |
|
4 |
山本・浅野 |
148 |
2-6 |
福田・池田 |
147 |
5 |
水野・浅野 |
151 |
2-6 |
山本・川上 |
144 |
|
5 |
村上・岡田 |
146 |
6-5 |
重光・藤山 |
144 |
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優勝:名古屋大学、2位:九州大学、3位:東京大学、4位:京都大学、5位:大阪大学、6位:東北大学、7位:北海道大学