- 2008年8月30日〜9月1日:全日本学生テニス選手権(有明テニスの森公園)
- 今年も東北大学から5名(男子3名、女子2名)が本大会(通称インカレ)に出場した。大会は局所的集中豪雨の影響を受けしばしば中断せざるを得ない状況で行われた。
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- 8月30日は男子シングルスに渡部、水戸選手が出場予定だったが2度にわたる中断で渡部選手の試合は大幅に遅れ、水戸選手の試合は翌日に持ち越された。萩庭会から小山さん、同期の川浪さんそして熊野さんと滝口が応援に駆けつけた。また今年卒業した才田前主将や現役部員も大勢応援に来ていた。北大は大久保選手がたった一人ながら見事インカレ出場を果たし、楡庭会の安達さん、川西さん、高田さんが応援に見えていた。渡部選手の試合は2時過ぎになり、熊野さんは仕事の都合で残念ながら試合を見ることができなかった。北大戦ではニコニコ顔だった渡部選手はいつになく緊張した表情だった。その緊張が試合に持ち込まれた。対戦相手の青井選手(四日市大)は渡部選手より更に長身でしなやかなフォームから繰り出すストロークは深くて正確にコントロールされていた。渡部選手の出だしは冷静さを欠き、相手の深いショットを必要以上に強打してミスを連続させた。あっと言う間に4ゲームを落とし第1セット後半で少し落着いたもののそのまま0−6で落とした。第2セットに入りいつもの表情に戻った。持ち前のサービスが炸裂しサービスゲームを3つ取ったが、どうしても相手のサービスをブレークできず2ndセットも3−6で落とした。
試合会場風景 大きなスコアボード
- 8月31日は男子シングルスの残り試合と男子ダブルスの3/4が行われた。仙石・渡部(東北大)の試合は翌日に持ち越された。萩庭会は小山さん、石川さんと滝口の3人で応援する。勿論、才田さん始め若手応援団も駆けつけていた。水戸選手の相手は横山選手(神戸学院大)だった。やや小柄な選手だが打点が高くスピードのあるボールがコートのコーナー目がけて飛んでくる。やや控えめな水戸選手は相手の強打による攻撃テニスに圧倒され本来のテニスができず0−5になってしまう。このまま0−6で落としたら実力の違いと思うところだったが、なんとか1ゲームを取った。第1セットは1−6で落としたが水戸選手もようやく本来の動きが出てきた。第2セットは第2ゲームで相手サービスをブレークし2−3と競ったが再び相手ペースになり2−5と引き離されてしまった。「これでおしまいかな」と応援席が半ば諦めかけたところで水戸選手の驚異的な粘りが始まった。右に左に打ち分けてくる強打を拾いまくる。チャンスボールは冷静にスライスで沈め、少しずつポイントを積み重ねる。見ていても足の指が痛くなりそうなぐらいよく走った。これだけ拾うと相手の強打にもためらいが出てきた。なんと4ゲーム連取し6−5と逆転した。相手も必死で6−6のタイブレークにもつれ込んだ。水戸選手の疲労も激しく、タイブレークをもぎとるだけの力は残っていなかった。久しぶりの好勝負に応援席は盛り上がった。
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- 9月1日は男子シングルスの2回戦が行わている。男子ダブルスの残り試合と女子ダブルスも行われる。ダブルスの試合が始まるまで間があったので男子シングルスの試合を見る。1回戦を勝ち抜いてきた同士なので競った試合が多い。シード選手といえども簡単にはゲームが取れない。1球1球に全力を注ぐ試合に若さと逞しさを感じる。今日は小山さんと松原さん(44年卆)と滝口の3人が応援する。女子ダブルスの樋口・熊谷組は同志社大学の斉藤・堂田組と対戦する。去年も同志社大学ペアだったが今年の相手は強かった。同志社大学は男子シングルスに2名のシード選手を擁しており女子もそれにつられてレベルを上げているような気がした。一人はサウスポーでストレートを狙う強打を持っており、どこにボールが来るか予測が難しい。更に2人とも思い切ったポーチを行うのでちょっとでも弱い返球をすると簡単に決められてしまう。樋口選手、熊谷選手は一生懸命繋ぐがスピードが不足している。思い切ったショットが功を奏することもあったが単発に終わってしまう。0−6、0−6と完敗だった。続いて男子ダブルスの仙石・渡部組が朝倉・鵜飼組(東海学院大)と対戦する。このペアは東海地区のチャンピオンとのこと。9時からシングルス2回戦をファイナルまで戦った朝倉選手は疲れが残っている筈だが終始冷静にパートナーの鵜飼選手にアドバイスを与えていた。渡部選手の強烈なサービスで第1ゲームを取り幸先良いスタートを切った。仙石選手のシャープなネットプレーと豪快な渡部選手のボレーのコンビネーションがうまくかみ合い3−2とリードする。続く仙石選手のサービスゲームで何度も4−2とするチャンスがあったがものにできなかったのが惜しまれる。3−3に追いつかれた後も各ゲームは競ったが、大切なポイントで、力みが目立った。じりじりとゲーム差が広がり、3−6で1stセットを落とす。2ndセットに入り気落ちしたのか、得意のスライスボレーにミスが増えた。大きな身体の鵜飼選手のサービスは背中にラケットを背負った状態から打つので一見威力がなさそうだが、かなり重いボールのようでレシーブミスを誘った。内容は競りながらもゲームが取れず、0−5と追い込まれた。最後に渡部選手がサービスキープで一矢報いるのが精一杯だった。先ほど同志社大に完敗した樋口・熊谷組が気を取り直して元気に応援に駆けつけてくれたのは嬉しかった。
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- 今年も1回戦の壁を破ることができなかった。ゲーム内容は競っていても結果が出ないと言うことは、何かが欠けているのであろう。こればかりは実践で体得するしかないような気がした。東北・北海道の世界で活躍するのも大切だが、レベルの高い地区或いは大学との交流が必要かも知れない。(滝口記)